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メディアリンク(羚邦集団)の代表 趙小燕(Lovinia Chiu)(Photo by Forbes US)

香港のコンテンツ企業「メディアリンク(羚邦集団)」は日本のアニメ業界と中国の消費者をつなぐ会社として知られている。同社はテレビ東京やアニプレックス、エイベックス・ピクチャーズ、KADOKAWAらのコンテンツを中国のビリビリや、アイチーイ(iQiyi)などの大手のプラットフォームに送り込んでいる。

同社の代表を務める趙小燕(Lovinia Chiu)は今年1月、米国出張から香港に戻ったタイミングで新型コロナウイルスのパンデミックが世界を覆いつつあることに気づき、事業の先行きを懸念したという。

「当社のパートナーの大半は東京の企業だ。移動が制限されればビジネスの機会を逃すことになる」と趙は話す。

パンデミックは実際、メディアリンクの事業にダメージを与えた。昨年5月に香港市場に上場した同社の今年3月までの1年間の売上は、前年比で約30%マイナスの3億1500万香港ドル(約43億円)、純利益も同66%減の3600万香港ドルに減少した。

これまでの同社の成長を支えてきたのは巨大な中国市場だ。上海の市場調査企業iResearchのデータによるとACGと総称されるアニメとコミック、ゲームの3大コンテンツは2018年、中国で合計69億ドルの売上を生み出していた。

現在55歳の趙は、個人の趣味としてアニメやゲームが好きだった訳ではない。1987年に香港樹仁大学を卒業した彼女は現地の小さなメディア企業で働いた後、1993年に香港のテレビ局のセールスマネージャーの職を得た。

しかし、自分で事業を立ち上げたいと考えた彼女はその翌年、手持ちの資金でメディアリンクを設立した。当時は日本のアニメの需要が中国で高まりつつあった頃で、趙は東京にコンテンツの提供元を探しに出かけた。しかし、日本企業の反応は鈍かった。「当時は本当に辛い思いをした」と趙は話す。

その後、約1年をかけて説得に成功したのが東京の総合ビジョンというアニメスタジオだった。趙は彼女が持つコンテンツ市場に関する深い知識を駆使して経営陣に中国市場のポテンシャルを理解させ、日本のアニメを中国に輸入し、売上を最大化させた。

それ以来、メディアリンクは数十社にのぼる日本のパートナーと契約を結び、昨年時点で386タイトルの販売代理権を獲得していた。

編集=上田裕資

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