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日本の「ガチャガチャ」がヒントに


ワンによると、開業当初のPOP MARTは雑多なアイテムを並べていたが、「ある日、一番売れるのは玩具だと気づいた」という。そして2014年から玩具の販売に特化することに決め、日本でガチャガチャと呼ばれるカプセル入り玩具からインスピレーションを得て、現在のプロダクトのベースとなるコンセプトを生み出したという。

自社のオリジナルのフィギュアを販売しようと思い立ったワンは、香港を拠点に活躍するクリエーターのKenny Wongにコンタクトをとった。Wongは既にMollyと呼ばれるフィギュアで人気を博しており、彼と面談したワンは「もっと大きなステージで勝負してみないか」と持ちかけたという。

そして2016年にWongのフィギュアを売り始めたPOP MARTの業績は急拡大し、2017年には2200万ドル、その1年後には7300万ドルの売上を記録した。同社は現在、25人のクリエーターと契約を結んでいるが、飛躍のきっかけを生み出したWongには発行株式の2%を譲渡し、定期的に新作の提供を受けているという。

POP MARTは現在、中国全土に114の店舗を展開中だが、今年春には新型コロナウイルスのパンデミックを受けて全店舗が閉鎖に追い込まれた。しかし、自社アプリでダイレクトに顧客とつながるPOP MARTは、Eコマースの売り上げも伸ばしており、アリババのTモールでの販売も好調だ。

創業者のワンは現在、海外進出にあたっての戦略を練っているところだが、間もなくIPOに踏み切る同社には守秘義務があり、詳細については明かせないという。

海外で成功するための条件


小売業界のコンサルティング企業カンター・ワールドパネルのJason Yuは「中国で成功したビジネスをそのままコピーしても、海外の消費者を魅了するのは難しいかもしれない」と話した。「いきなり米国を目指すのではなく、まずは東南アジアからスタートするのが成功への近道となるだろう」と、彼は続けた。

POP MARTの人気のフィギュアは希少性が高く、アリババのフリマアプリ閑魚(Xianyu)では、数百ドルもの高値で販売されている。同社のフィギュアのファンで、北京の金融企業に勤める38歳の女性は次のように話した。

「ブラインドボックスで売られるPOP MARTのアイテムは、今まで無かった楽しみを提供してくれる。私は彼らのフィギュアのデザインが好きで、ボックスを開くときにはギャンブルのようなドキドキする気持ちが味わえる」

彼女のようなロイヤルなファンを海外で獲得することが、今後のPOP MARTの課題になりそうだ。

編集=上田裕資

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