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0歳からの「お金の話」

Kiyoshi Hijiki / Getty Images

前回の記事「支援金の財源は「税金」ではない?経済学の新理論MMTを解説」は反響が大きく、筆者のツイッターでも紹介したところ、数人の大学生からコメントをもらった。

あらためてMMT(現代貨幣理論)への強い関心を感じたが、今回はコメントのなかにもあった、経済の基本的な話を紹介しよう。子どもたちがお金のことを勉強するうえでも知っておいたほうがいい内容だ。

まず、モノの値段はどのように決まるのかを考えてみよう。当り前すぎて考えたこともないという人も多いだろう。

簡単に言えば、モノの値段は、需要と供給が一致するところで決まる。

たとえば、500mlのペットボトルの水が100円で売られているとしよう。いまの私たちからすれば、「だいたいこんな値段か」と思うので、特に何も思うことなく買うだろう。

しかし、これが1000円となると話は変わる。高すぎるので買う人はいなくなる。つまり、需要が減ってしまう。そうなると供給側は水が売れなくて困るので値段を下げるか、商売にならないので生産量(供給量)を減らしてしまう。

一方で、砂漠で迷ってしまい、いまにも脱水症状で倒れそうだとする。そこに1人の商人がやってきて、500mlのペットボトルの水を1万円で売ると言ってきたとしても、背に腹は代えられないから買うという判断をするであろう。

物価は「経済の体温」


このように、モノ自体の品質に変化がなかったとしても、需要と供給が変動すると、両者が均衡する点で物価は決まるのだ。

経済が成長していれば、人々の所得も上昇し、モノを買いたいという需要が増えるので、供給量が一定であれば物価は上昇していく。ゆえに、物価は「経済の体温」と呼ばれているのだ。

物価が上昇することを「インフレ(インフレーション)」と言うが、年間で2%ぐらいのインフレ率(物価上昇率)が適度であるとされている。

そして、急速なインフレが起こることを「ハイパーインフレ」と呼ぶ。記憶に新しいところで言えば、アフリカのジンバブエの例が思い浮かぶ。2008年7月に発表された同国のインフレ率は年率換算で「2億3100万%」とも言われている。

桁外れの数字なので、いまひとつイメージが湧かないかもしれないが、同国のハイパーインフレを表す逸話として、店にモノが並んでいる間に価格が上昇してしまうというものがある。

さて、本題に入ろう。冒頭のMMTは、近年、批判的な意見を浴びることのほうが多い理論であるが、その批判のなかでも多いのが「MMTは、いくらお札(金)を刷ってもハイパーインフレにならないと主張している」というものだ。

文=森永康平

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