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新型コロナウイルスのパンデミックにより、子どもたちも、直接会う機会が減り、オンラインでコミュニケーションをとることがますます増えている。だが、こうした子ども同士のやりとりのすべてが健全とは言えない点は、心に留めておくべきだろう。

ネットいじめは近年、研究の対象としても大いに注目を集めている。現実世界でのいじめは、当人が成人した後もマイナスの影響を与え続けることがわかっているが、ネットいじめが人の精神状態に及ぼすダメージにも、こうした従来型のいじめとの共通点が多いとされる。

ソーシャルメディアの利用は、メンタルヘルスにマイナスの影響を与える要素として、しばしば言及されており、この傾向は特に女児のあいだで顕著とされている。そして、ソーシャルメディアと、メンタルヘルスへのネガティブな影響の結びつきに関しては、ネットいじめがひとつの要素となっているようだ(ほかのメカニズムも存在しているとはいえ)。

このテーマに関する新たな論文が、BMJ(英国医学会報)の学術誌「Archives of Disease in Childhood」に掲載された。論文を著した研究チームは、ネットいじめの被害者と加害者の双方について、いじめ行為と心的外傷後ストレス障害(PTSD)の結びつきに着目した。その結果、被害者と加害者の両方について、PTSDとの結びつきが認められることが判明したが、その理由については、確証は得られなかったという。

研究チームは今回、ロンドン在住の11歳から19歳の生徒や学生、合計2200人以上を対象に調査を行い、アンケート調査を通じて、いじめの経験について尋ねた。

この調査では、いじめを以下のように定義している。「対面でのいじめは、他の人に対して意地悪いことや傷つけるようなことを言う、からかいや無視、仲間はずれ、うそをつく、噂を広める、危害を加えるという脅しや、実際に危害を加える行動を指す」

ネットいじめの定義も、対面でのいじめと内容はほぼ同じだが、「こうした行為がオンラインや、テキストメッセージ、メール、フェイスブックなどのコミュニケーション技術を用いて行われた場合」との条件が追加されている。

研究チームは「オルヴェウス・いじめアンケート」(Olweus Bully/Victim Questionnaire)を用いて、調査参加者について、加害者、被害者、あるいはその両方として、対面でのいじめやネットいじめに関わった経験の有無を判定した。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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