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言うまでもないが、新型コロナウイルスの影響からの回復については、早い州もあれば遅い州もある。それは、米国西海岸の一部から北東部ほぼすべてを襲った悲劇的な公衆衛生危機と雇用市場、その両方について言えることだ。

以下では、雇用市場について見てみよう。

以下に挙げる上位5州と下位5州は、2020年5月と2019年5月の失業率を比較して、労働市場の回復度合いをランク付けしたものだ。金融サービスサイト「ウォレットハブ(WalletHub)」が収集したデータをベースにしており、すべて2020年5月のデータである。

上位5州

1.ワシントンD.C.:失業率8.5%。前年5月と比べて54.3%上昇
2.ネブラスカ州:失業率5.1%。前年5月と比べて74%上昇
3.ニューメキシコ州:失業率8.8%。前年5月と比べて86.9%上昇
4.ミシシッピ州:失業率10.5%。前年5月と比べて88.6%上昇
5.アリゾナ州:失業率8.7%。前年5月と比べて91.4%上昇
ワシントンD.C.(コロンビア特別区)は厳密には州ではありません

お分かりのとおり、上位5州でも状況はあまり芳しくない。失業率は高く、昨年と比べた上昇率で見ると、それがなおのこと際立つ。とはいえ、下位5州と比べればまだいい方だ。

下位5州

47.ミシガン州:失業率20.7%。前年5月と比べて433.8%上昇
48.ニューハンプシャー州:失業率14.5%。前年5月と比べて464.6%上昇
49.バーモント州:失業率12.6%。前年5月と比べて474.7%上昇
50.ネバダ州:失業率25.2%。前年5月と比べて490.2%上昇。

そして、1年前と比べて失業率が最も上昇したのは……

51.ハワイ州:失業率22.5%。前年5月と比べて、730.6%も上昇

2020年はじめから5月31日までの失業率を見ると、これまでに最も大きく回復を遂げたのはワシントンD.C.、ネブラスカ州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、アラスカ州だ。一方、回復が最も遅いのは、マサチューセッツ州、フロリダ州、ミシガン州、ネバダ州、ハワイ州となっている。

失業関連のデータは好転しつつある。

5月後半には、増え続けていた失業保険継続申請件数が横ばいに転じ、非農業部門雇用者数は250万人増となった。

雇用市場の好転は、全米各地の州がロックダウン(都市封鎖)の解除に踏み切ったことと時を同じくしている。新規雇用がどのくらいの速さで純増するかは、ロックダウン規制の緩和次第だ。

アップルは6月19日、一部の州のアップルストアを再閉鎖すると発表した。新型コロナウイルス感染が再び拡大していることを懸念してのことだ。

こうした閉鎖は、ほとんどの従業員にとっては問題ないはずだ。州政府のみならず連邦政府からも、失業手当を受け取れるからだ。

給与保護プログラム(PPP:Payroll Protection Plan)」は、徐々に進化を遂げ、多くの人を貧困化から救ってきた。

2020年6月に入ってからは、PPPから借りた資金の使用目的をめぐる制限が若干緩和され、利用可能期限も延期されている。

米連邦準備制度理事会(FRB)は4月22日以降、PPPを効果的に運用するために新設された「PPP流動性ファシリティ」のもとで、参加資格を持つ金融機関への信用枠拡充を開始した。また、ファシリティの規模も毎週拡大している。

同プログラムを統括する米中小企業庁(SBA)によれば、6月15日現在、460万件のPPPローンが実施され、総額は5120億ドルに上っている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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