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美の多様性を読み解くマーケターの視点


データから見えてくる消費者のポジティブな変化


パンデミック宣言以降、連日暗いニュースが続いたが、消費者の意識はどう変わっていったのだろうか。

フランス発の広告ソリューション会社「Criteo」のセッションでは、オンライン購買行動のデータが分析され、消費者のマインドがコロナ禍でどう変わったのか、また、今後どのように変化するのかが紐解かれた。

外出の自粛など、いわゆる「ニューノーマル」と呼ばれる環境について同社が行ったリサーチでは、新しい生活様式を「これまでの習慣を変える機会」としてポジティブに捉えている消費者が多いことが明らかになった。コロナ禍以前の状況に戻ることを希求する気持ちよりも「新しい生活様式を自分なりに受け入れて楽しむ」という傾向が消費者の気持ちの中に広く共有されているようだ。

日本では、外出自粛時にオンラインショッピングの利用者が増加したが、これはリアルでの買い物が単に大規模なオンラインモールに代替されたというわけではない。むしろ以前から利用していた店舗のネット通販を使い始めたというユーザーも多く、今後も使い続ける傾向にあるようだ。

画像を集めてインスピレーションを得るデジタルツール「Pinterest」が開催したセッションでも同様に、コロナ禍におけるポジティブな消費者の行動や意識が紹介された。

パンデミック宣言後は、食料品の確保や健康に関する重要な情報、レシピや自宅で子供を楽しませる方法など、身の回りの変化に関心を示していたユーザーも、4月には、楽観的に未来を捉え、旅行やイベントなどの計画を立て始め、ギフトやホリデーに関する検索をし始めたという。

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また検索ワードを分析してみると、パンデミックの初期には「自分をケアすること」に注力していたユーザーが、次のフェーズでは家族を思いやり、さらに時間が経過すると「コミュニティをケアする」ようになっていったことが明らかになった。感染拡大が落ち着いてきた頃の検索キーワードの特徴としては「小規模ビジネスを支援する」や「教師へのプレゼント」があげられ、ユーザーが自分や家族だけでなく、新型コロナの影響を受けた周りのコミュニティもケアするようになったという検索行動を紹介した。

このような事例からは、新型コロナウイルスのような未曾有の事態であっても、希望を捨てない消費者のポジティブなマインドがうかがえる。「巣ごもり消費」から刻一刻と変化し、新しい生活様式とともに移りゆく消費者欲求を見逃さないことが、今後のマーケティングでは重要になってくると言えるだろう。

文=田辺敦子

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