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「性差別プラス」の差別とは何か?


1964年公民権法第7編などの雇用に関する連邦法では、人種、性別、年齢のような保護特性(protected characteristics)に基づいて被雇用者を差別するのは違法とされている。雇用差別訴訟では、自分が女性であることを理由に雇用主に差別されたと訴える人が多い。

それに対して、「交差的な差別(intersectional discrimination)」とも呼ばれる「性差別プラス」雇用差別訴訟では、訴えを起こした被雇用者は、自分が女性かつ黒人だから差別的に扱われたと主張する。つまり、被雇用者は、人種と性別という複数の保護特性を理由に差別されたという主張だ。
参考文献:「Jefferies v. Harris County Community Action Association(ジェフェリーズ対ハリス郡コミュニティ活動協会訴訟)」, 615 F.2d, 1025, 1034(5th Cir. 1980)など

性別などの特性による差別に、年齢差別が加わったという交差的差別訴訟を被雇用者が起こせるかどうかについては、裁判所の判断はかなり割れている。そうした訴訟に関して、マーク・チェイス・マカリスター(Marc Chase McAllister)教授が「ボストン・カレッジ・ロー・レビュー(Boston College Law Review)」誌に掲載した興味深い分析によれば、性差別と年齢差別の交差的差別訴訟を棄却した裁判所は、年齢差別訴訟と性差別訴訟に適用される法的責任が異なることを指摘しているという。年齢は、性別とは異なり、公民権法第7編で保護された特性ではない。年齢差別は、「雇用における年齢差別禁止法(ADEA)」という別の法律で禁止されている。

一方、性差別と年齢差別の交差的差別訴訟について訴状を受理した裁判所は、そうした差別は、公民権法第7編で禁じられた性差別の一形態であることをその根拠としている。そして、「40歳を超える女性」というサブクラスは、それ以外の被雇用者よりも悪い扱いを受けている、保護されるべきサブクラスとして存立しうると指摘している。

注視すべき差別


新型コロナウイルスが労働市場に及ぼす影響は、ほぼすべての雇用セクターを直撃しており、幅広い被雇用者に大きな損害を与えている。だが、55歳以上の女性が被る深刻な影響は、注視する必要があるだろう。そうした被雇用者層では、キャリアの再スタートや、失った収入の埋め合わせがいっそう難しくなるからだ。

自分が年齢、性別、もしくはその両方を理由に雇用差別を受けていると思う人は、雇用差別問題の経験をもつ弁護士に相談することが重要だ。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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