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外出禁止令は安全命令に緩和。経済活動も段階的に再開へ


ハワイの外出禁止令と旅行者に対する14日間の自己隔離義務は4月30日までとされていたが、どちらも5月31日まで延長されている。これに伴い、経済活動再開を求める200人規模のデモが行われる反動はあったが、これまで閉鎖されていた公共の公園が運動目的の利用に限り開放されるなど、一部の規制が緩和された。

さらにハワイの経済活動については、第1段階として5月7日から「外出安全命令」に緩和され、洗車サービスやペットグルーミング、倉庫業務など、感染リスクの低い一部事業の再開が許可されている。これまでと同様にソーシャルディスタンスを取り、感染者数の状況を見ながら、今後は感染リスクの低いビジネスから段階的に営業再開が許可される見込みだ。

ハワイ
今後も旅行客に対しても14日間の自己隔離義務は続く(Shutterstock)

懸念事項は旅行者への対応。自己隔離義務違反で逮捕も


新規感染者数が減少し経済活動再開の見通しが立ち始め、明るい兆しが見えつつあるハワイだが、今後もっとも懸念されるのは、州外からの旅行客のことだろう。日本とハワイを結ぶフライトは現在、JAL、ANA、ハワイアン航空など全ての直行便が運休しているが、アメリカ本土─ハワイ間の路線は、便数は少ないものの運行しているものもある。そして3月下旬に14日間の自己隔離義務化が開始されてからも、39日間で5523人の旅行客がハワイを訪れている。これは1日あたり平均141人の計算となる。

旅行客であっても滞在先のホテルで14日間待機することが求められているが、すべての人の隔離を管理できていないのが現状だ。そしてこれまでにも度々、自己隔離義務に違反した旅行者が逮捕されている。

さらに5月からは、14日間の自己隔離の義務化は続くものの、旅行客の増加が予想されている。ハワイの外出禁止令が当初は4月末までであったことから、5月にハワイ旅行の予約をしていた人がいることと、アメリカの別の州では5月からロックダウンの緩和に踏み切ったところもあることが、これに拍車をかけているものとみられる。

ハワイでは現在は旅行客の自己隔離を監視する有効なシステムはない。台湾などの他の地域で実際に利用されている、足首に装着するGPS付追跡装置の利用を検討する声も上がっており、旅行客の隔離を管理・追跡するシステムの整備が、観光業再開の鍵になってくるとみられている。

観光が基幹産業であるハワイでは、今回の外出禁止令によって、24万人以上が職を失い失業保険の申請を行っている。これはハワイの労働人口の37%に該当し、新型コロナウイルスのパンデミックによりハワイの経済に甚大な影響を及ぼしていることがわかるだろう。そしてこの失業者を支援するためには旅行客の受け入れが必要不可欠となるのだが、新型コロナウイルスに有効なワクチンや治療薬がまだ開発されていない時点では、以前と同じように観光客を受け入れる体制に踏み切ることは難しいはずだ。

ハワイ大学経済研究機構(UHERO)では、ハワイの観光業の再開は早くて7月末との予測を発表している。観光客がハワイに自由に行き来できるようになるタイミングについては、感染者数と経済状況のバランスをみながら、慎重な判断が求められることになるだろう。

文=佐藤まきこ

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