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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

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CO2排出量低減への対応、先進技術への適応など自動車メーカーが抱える課題は多岐にわたる。そのなかで自動車メーカーには何が求められ、どのような動きを見せているのか、ゴールドマン・サックス証券マネージング・ディレクターの湯澤康太が解説する。

注目を集めているメーカーとその理由


グローバルでオペレーションを展開する自動車メーカーは三重苦に直面して久しい。

まず、グローバルで見る自動車販売は2019年に前年比2.7%減少する見通しで、全需がマイナス成長に入るのは金融危機以降で初となる。20年に向けても米中/アジアともに需要に不透明感が強く、自動車販売は1.1%の増加に留まると当社では予想している。

また、トップラインの成長は限定的だが、増大するCO2コストへの対応は待ったなしの状態。20年からスタートする欧州95g/㎞規制では、欧州で自動車事業を手がける自動車メーカーに数百億~数千億円の罰金が科せられる可能性がある。

最後に、中期的な視点ではCASE(Connected、Autonomous、Shared&Services、Electric)への対応に向けて、継続的に巨額な先行投資は不可避だ。特に自動運転とEV(電気自動車)の開発/投入は20~21年にピークを迎えることになると当社では予想している。

では、混沌の時代を生き抜く自動車メーカーに求められる条件とは?それは、以下3点に集約されるだろう。すなわち、1.事業規模の拡大、2.継続的な先行投資に耐えうるキャッシュフローの創出力、3.技術動向の見極め。

事業規模の拡大においては、昨年発表されたトヨタ自動車とスズキ/SUBARU/マツダの資本提携に代表されるように、さまざまな自動車メーカーが提携関係の構築に動いている。荒波を乗り切る企業規模は不可欠だ。

先行投資も技術トレンドが明確に定まらないなかで、数年先ではなく5年から10年先を見据えた継続的なコミットメントが必要となる。それを支えるフリーキャッシュフローの創出力は既存の自動車事業の収益性が直結していることは言うまでもない。

技術動向を見極めるにあたっては、例えばパワートレインでEVに特化するなどの戦略では、日進月歩の技術開発に対して柔軟性を欠く。アライアンス等を積極的に活用しエンジン、ハイブリッド、バッテリーなど広い視野で対応力を高めなければならないだろう。

text by Fumio Ogawa edited by Tsuzumi Aoyama

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