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旅の美、暮らしの粋


料理もお客様との間にストーリーを


空間、サービスとともに重要なのが、料理だ。

京都三条は江戸と京都を結ぶ東海道五十三次の終着点と書いたが、その終着点の「その先」をイメージした54番目の場所として、グリルレストラン「54TH STATION GRILL」が誕生。朝食はビュッフェスタイル、ランチとディナーは京都ならではの地鶏や和牛などを使ったグリル料理をメインにしたコースとアラカルトを提供している。


レストランの座席数は104席。写真は個室

シェフの西村美樹(よしき)氏は、ヨーロッパの星付きレストランで研鑽を積み、帰国後はフレンチレストランを経て、グランドハイアット東京やハイアット・リージェンシー京都などいくつかのトップホテル開業時にシェフを務めた人物だ。

目標を尋ねると「あの料理が食べたいから、あのホテルに行こうと言われるような食体験の提供を追求したい」と言う。

「昨今は現代的なフュージョン風のフレンチが流行りですが、私は昔ながらのフレンチのコースの構成はとても魅力的だと思うんです。例えば、フランスでは熟成させた野ウサギの腹にフォアグラやトリュフを詰めて赤ワインで12時間煮込む、リエーブル・ア・ラ・ロワイヤルという料理がある。その料理を、毎年同じ時期に食べに来る老夫婦がいらっしゃる。私どももそんなふうに、お客様との間にストーリーや時間を紡いでいけたらと」


(左)かの日のコース料理からメインの小鳩。コースの内容は2カ月に一度変更される (右)西村美樹シェフ

確かにこのホテルには過去と現在をつなぐストーリーがあり、ホテルとゲストが紡ぐストーリーがある。田中支配人があとを続ける。

「お客様に唯一無二の体験をしていただく。“お客様に寄り添う”という言い方だと月並みですがお客様一人ひとりの要望や希望、想いを個別にとらえて、接客するようにしています。ありがたいことに、スタッフがとても親切だ、ファビュラスだ、スーパーフレンドリーだという言葉を頂戴することが多いですね(笑)」


女性ゲストは、明日訪ねたい場所への行き方をフロントスタッフに訊いていた

それを裏付けるような光景に出くわした。ホテルのフロントはご覧のとおり、アイランドキッチンのようなスタイル。これは「ゲストとの垣根がないように」と考えられたものだという。ホテル滞在の中でこのふたりの雰囲気がいちばん印象に残ったといっても過言ではない。

ホテルの周辺は東山の山並みや鴨川の様子が一望できる一方、東西線・三条京阪駅の2番出口から徒歩1分半、祇園や河原町、八坂神社も徒歩圏内と、便もよい。レンタサイクルも用意されている。しかし、数泊するならいざ知らず、一泊であれば、ぜひとも終日ホテル滞在を楽しんでほしい。

文=堀 香織 写真=山本マオ

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