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エアビーアンドビーは3月14日以前に物件の予約を行った全ての顧客に対し、無料でキャンセルを可能にすると宣言した。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、同社の決定は顧客にとってはありがたいものだ。

しかし、貸し出すホスト側は、多大な損害を被ることになる。

エアビーアンドビーは3月14日、「感染拡大が続く中、当社は予約ポリシーを変更した。ホストとゲストの双方は、違約金なしでキャンセルが可能になる」と宣言した。

航空便の停止や、国境の閉鎖が相次ぎ、旅行客が目的地にたどりつけないケースも多発しており、同社の判断は合理的なものといえる。ドイツ政府は3月15日、国境の大半を閉鎖すると宣言した。米国から欧州や中国に向かう航空便の大半も、欠航となっている。さらに、カナダやイスラエルなどの複数の国が、国外からの旅行客らに一定期間の自主隔離を求めている。

しかし、エアビーアンドビーで部屋を貸し出すホストらは、多大な金銭的ダメージを被ることになる。ホストの一人はツイッターでこのように述べた。

「エアビーアンドビーはホスト側に相談もなく、一方的に規約を改めた。私たちはゲストと契約を結んでおり、エアビーアンドビーがそれを無効化する権利はない。私はこれまで4000ドルを失った。ホスト側にだけ負担を求めるのは理解できない」

ホストの中には、将来のための貯蓄を取り崩して、物件のリノベーションに投資した人も多い。彼らはその投資を回収できなくなってしまったのだ。

ホストの間からはエアビーアンドビーに対する集団訴訟に踏み切る動きも、見えてきた。しかし、エアビーアンドビー側もこの事態を予測していたらしく、何らかの対策を行うと宣言した。

「当社は今回の決定が、世界中のホストらに影響を与えることを理解している。ここ数日、もしくは数週間の間で、ホストを支援する取り組みを進めていく」とエアビーアンドビーは述べた。

他の民泊企業も同様な措置を


エアビーアンドビーに限らず旅行業界では様々な業種が、感染拡大の影響を被ることになる。ここで大切なのは、長期的視野に立って判断を行うことだろう。エアビーアンドビーの愛用者の一人は、「キャンセルの無料化に感謝している。彼らは短期的な収益を失うことになるが、私個人としては今後もエアビーアンドビーを使い続けたいと思うようになったし、私と同じ感想を抱く顧客は多いだろう」

ただし、ここで重要なのはゲストが被る打撃とホスト側の打撃の質が異なることだ。旅行客らにとってエアビーアンドビーに支払う費用は、余暇に注ぐ資金だが、ホスト側は暮らしを支える貯蓄などを、部屋のリノベーションや維持費用に注いでいる。

しかし、どんな業種であれ、まずは顧客を第一に考えるのが妥当な判断といえる。エアビーアンドビーは顧客を優先する姿勢を見せておくことで、感染拡大の脅威が遠のき次第、再び顧客をプラットフォームに呼び込むことが可能になる。

一方で、ツイッター上では他のホームシェアリング企業も同様な措置をとるよう呼びかける声が高まっている。別のユーザーは、ホームレンタルのVRBOもエアビーアンドビーと同様なキャンセルの無料化を行うべきだ、と投稿した。

編集=上田裕資

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