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地方の現場から見た教育の今

beeboys / shutterstock.com

子どものころ、夏休みが終わって二学期が来ると、始まるのが運動会の練習だった。運動が苦手な私は、徒競走がとても苦痛で、運動会は学校の行事のなかでいちばん嫌いなものであった。

しかし教員になると、運動会(中学校では体育大会)が苦手と言ってはいられなかった。子どもを指導する立場だからだ。事前の準備、子どもたちに競技や係を決めさせたり実際に競技の練習をさせたりする指導、会場設営や係担当の仕事など、ただ参加するだけだった子どものころとは違い、教員ではさらに多くの時間を運動会に費やさなければならない。

学校の働き方改革の手段として、行事の精選をあげる人が多い。そのなかでも運動会(体育大会)は、私としてもどうにか改善したい最大の行事である。今回は、運動会を効率化、負担軽減できないかを考えてみたい。

運動会の何が負担となっているのか

効率化し、負担を減らすには、まず運動会の何が負担となっているのかを知る必要がある。私自身の経験もあるが、小学校や中学校で実際に運動会(体育大会)に取り組んでいる現役の先生たちに、「運動会(体育大会)で忙しい係は?」と質問してみたところ、150ほどの回答があった。

その結果、先生たちの回答でいちばん多かったのは、「器具係」だった。理由は「何番目の競技に、誰が、何を持っていくのかという段取りをつけなければならないから」というものが多かった。競技が始まる前に、グラウンドの指定された場所に器具を持って走って設置。終わると同時にまた走っていき、片付けるとともに次の競技の器具を準備する。とても緻密な準備や役割分担が必要だし、何より力仕事になる。

二番目に多かったのが、私もやっていた「放送係」だ。「流す音楽やアナウンス原稿を事前に準備するだけでなく、グラウンドに放送機器やスピーカーを設置する作業など、あまり目立たない裏方の仕事が多い」というコメントが目立った。三番目が、グラウンドの「ライン引き係」。運動会の前は、毎朝、グラウンドに出てラインを引き、当日も競技ごとに消えてしまうラインを「ラインカー」を押して引き直すわけだ。

また、それ以外には、「団体競技(応援団も含む)の指導」を挙げる先生も多かった。早朝練習、昼休みの練習、放課後の練習など、教員も子供も拘束される時間が長くなる。

これらの結果を見て、あらためて感じたのは、運動会は、ほぼアナログな作業が多く、先生たちや子どもたちの「マンパワー」で成り立っているということだ。

文=望月陽一郎

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