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米国では、失業率が数十年ぶりの低水準となり、株式市場も好調なのに、何かが欠けているようだ。多くの人が怒りや落胆を抱えている様子で、収入の格差や不公平をめぐる不満が渦巻いている。

多くの人が、自分の能力以下の仕事に従事し、先が見えない仕事から抜け出せず、自分の価値に合った給料を稼げていないように感じている。自分に合った仕事が見つからないために仕方なくギグエコノミーで働いている人は、自分たちは従業員としてみなされるべきだと主張し、公正な給与と福利厚生を要求している。こうした問題をみると、本当に「良い」職に就いている人は一体どれほどいるのかという疑問が浮かぶ。

人々が口にするこうした感覚を裏付ける調査結果が、このたび発表された。、ルミナ財団とビル&メリンダ・ゲイツ財団、オミダイア・ネットワーク(Omidyar Network)、ギャラップが共同で実施したこの包括的調査では6600人の労働者を対象とし、全体的な仕事の質を考える上で重要な要素である報酬や職の安全、昇進機会、福利厚生、安定性、尊厳について聞き、こうした要素をまとめて仕事への満足度指数として算出した。

調査結果

調査では、いくつかの深刻な問題が取り上げられた。米国では過去数十年で自動化やグローバル化が進み、行き場を失った職業が生まれるなど、労働者が急激な変化を経験してきた。

失業率は、労働者の置かれた状態を測る基準として最も適したものとは言えない。米国には現在求人中の仕事が多くあり、被雇用者数を増やすことはできる。しかし今回の調査では、これが意義と適合性を備え、満足感につながるような質が高い仕事なのか、それとも低賃金で将来性のない仕事なのかという疑問が投げかけられている。

残念なことに、米国の労働者の中で自分が良い仕事に就いていると考えているのはわずか50%以下だ。仕事の質は生活全般の質に関係する。良い一般的な仕事に就いている人が自分の生活全体の質を「高い」と評価する一方で、悪い仕事に就いている人の大半は逆の評価になっている。

また、低収入の仕事に就いている人は、収入に無関係のものを含め、仕事の質に関する10の側面全てに満足する確率が低くなっている。一方、年配の労働者、白人の労働者、教育レベルが高い労働者は、その他の労働者と比べて良い仕事に就いていることが多い。さまざまな報酬レベルの従業員には一つ重要な共通点があった。それは、目的意識が優先され、「ただの仕事」は欲していないことだ。

人種や民族、性別、仕事の質の間には強い相関関係がある。黒人は白人と比べて悪い仕事に就いている確率が倍で、黒人女性の場合はその格差がさらに大きい。

編集=遠藤宗生

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