地方の現場から見た教育の今

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「僕は技術科が専門であって、コンピューターやプログラミングが専門じゃない。大学で専門的な訓練を受けたわけじゃないですから」

中学校で勤務していたころ、校内のコンピューターの運用について技術科の先生に相談を持ちかけたところ、返ってきた言葉がこれだ。確かに大学では習っていなかったのだろうが、すでに中学校の技術・家庭科の学習内容には、コンピューターに関する分野が入っていた。結局彼は運用に関する仕事に協力してはくれなかった。

来年度からプログラミング教育必修化となる小学校の先生たちから、類似した言葉を聞くことがある。「英語やプログラミングについて大学(教職課程)で習っていない」と。これもまた事実だろう。

来年度からのプログラミング教育必修の準備はできているか

先日、大分市で「プログラミングフェスタ」というイベントが開催された。親子や教師を対象に、プログラミング教育への知識を得てもらい、不安を払拭し、楽しくプログラミングを学ぶ機会を提供するという目的で、micro:bitやコードモンキー・LEGOロボットなどの体験講座やミニ講演・パネルディスカッションが実施され、のべ600人以上が参加した。

親子連れがとても多く参加していたが、プログラミング教育を担う学校の先生たちの参加は少なかったそうだ。

パネルディスカッションで子どもの親からこのような質問があった。

「来年度から全国どこの小学校でも同じようなプログラミング教育が受けられるのでしょうか?」

残念ながらそこまで、小学校の準備ができているとはいえないのが現状だと私は答えた。

この夏、私は全日本教育工学研究協議会で発表するために、「小学校プログラミング教育」に関するwebアンケートを行った。回答者は、小学校の先生が70%で残りは小学校のICT支援員・小学校のプログラミング教育関係者・教育委員会関係者などであった。

「学校では実施への取組を進めているか?」という質問に対して、以下のような回答だった。

・学校全体で取り組んでいる段階……27%
・一部の教員が取り組んでいる段階……48%
・学校はまだ取り組んでいない段階……23%

来年度からの必修化に先行してすでにプログラミング教育の授業が行われている小学校・地域があるなか、まだ何も始めていない学校・地域も多いことがわかる。プログラミング教育の授業について、その準備段階ですでに地域差が生まれてしまっているのだ。

文=望月陽一郎

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