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昔は、働く場所としてニューヨークに匹敵するものはほとんどなかった。同市は銀行や金融、メディア、広告、ファッションなどの業界の聖地であり、自分の分野で大物になりたい企業や個人は誰もが同市に行く必要性を感じていた。しかし今は、技術の急速な発達により世界のあらゆる場所から働くことが容易になり、都市に集まる必要性が減っている。

事業の拠点を米南部や南西部に移すことは、劇的に増大するトレンドとなっている。ウォール街の銀行や金融企業は既に、フロリダ州やノースカロライナ州、テキサス州、アリゾナ州、テネシー州に大規模な拠点を確立。その他ニューヨークを拠点とする企業の多くは、そうした地域に従業員を移転させたり、新たなオフィスを開設したりしている。

企業や人材にとっては簡単な決断だ。ニューヨークから離れることで、納税額を大きく減らし、仕事も確保した上で、大きな家をより安い価格で購入し、新鮮な空気を楽しみながら気楽な生活を送れるのだから。



魅力的な税優遇措置やビジネス誘致の姿勢を持つ都市に移る企業が増えるにつれ、ニューヨーク都市圏を去る人の数は増えるだろう。人や企業が出て行けば、失われた収入を補うべく税金を上げなければならない。税金が増えれば、さらに企業や人が流出する。税金の基盤が失われると行政サービスは劇的に削減され、教師や消防士、ごみ収集作業員、警察官が解雇されるだろう。そうして、残された人の生活の質は下がる。

このパターンは、あなたのキャリアにとって非常に重要だ。あなたが住んでいる街や地域は成長しているだろうか、それとも衰退しているだろうか? 新たな仕事が増えているだろうか、それとも求人は減っているだろうか? ニューヨークで高い給与を稼いでも、税金や家賃、高い生活費を差し引いた後に手元に残る金が少ないのであれば、それには果たして意味があるだろうか?

ニューヨークなどの大都市だけを唯一の目的地として考えることは、もはやできない。自分にとって最高の仕事とライフスタイルを得られるのがどこかを見極める必要がある。キャリアを決める際には、生活の質や、自分の給与でどれほどの生活ができるか、そして将来の成長の機会を考慮する必要がある。

編集=遠藤宗生 写真=Getty Images

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