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米国の貨物運送大手UPSが、ドローンを活用した輸送サービスの認可をFAA(連邦航空局)から取得した。UPSはこの分野の競合のアマゾンや、アルファベット傘下の「ウィング」らを打ち負かそうとしている。

UPSは既に、ノースキャロライナ州の医療施設でスタートアップ企業Matternetと組んで、医療サンプルの輸送実験を実施中だが、今後はこの試みを全米に拡大する。UPSらは、FAAが定める「小型のプロペラ飛行機による定期便およびチャーター運航の認可」であるFAR135を取得した。

FAR135の取得でUPSは、重量55ポンド(約25kg)以上のドローンを昼夜にわたり、飛行させることが可能になる。ただし、飛行エリアは人口密度の低い遠隔地や、大学のキャンパス、医療センターの敷地に限定されており、オペレーターの視界を超えて飛行させる場合は個別のルートを申請する必要がある。FAAは現時点では、都市部でのドローンの飛行ルールを定めていない。

UPSの担当主任のDavid Abneyは「我々は新たな歴史を作ろうとしている」と述べた。「当社は近い将来に、現在のインフラをさらに広げ、ヘルスケア領域のサービスを拡充する」と彼は話した。

UPSとMatternetらは3月にノースキャロライナ州のローリーのWakeMed医療センターで、パイロットプログラムを始動させ、医療サンプルのドローン輸送を行ってきた。この試験プログラムは2018年に米国の10カ所で始動した、ドローンの輸送活用の実験の一環として実施されていた。

UPSらは、今回の取り組みが米国で初めての、ドローンを活用した定期的な商用輸送サービスであると述べている。この試みにより、医療機関の迅速なサンプル入手を可能にし、ラボの運用コストを削減することを彼らは目指している。

UPSはこのサービスをUPS Flight Forwardと名付け、全米の医療施設に拡大する意向だ。現状では最大5ポンドの貨物を搭載可能なMatternetのM2クアッドコプターを用いているが、今後は他のドローンメーカーとの提携も進めていくという。

マウンテンビュー本拠のMatternetは、2017年からスイス郵便と共同で、スイスで医療サンプルのドローン輸送を行っており、これまでに数千回の輸送を実施したという。

アルファベット傘下のドローン輸送企業、ウィングも今年4月にFAAのFAR135認可を取得したが、同社に与えられた認可はUPSよりも限定的なもので、飛行は日中に限られている。ウィングは間もなくバージニア州でFedExの貨物や、ドラッグストアのWalgreensのヘルスケアプロダクトの輸送サービスを開始する。

アマゾンは今夏、ラスベガスでドローン配送の実験を公開し、Prime Airと呼ばれる配送サービスを数カ月内に始動すると述べていた。ウーバー・イーツも今年の夏からサンディエゴで、ドローンを活用したフードデリバリーのテストを開始している。

編集=上田裕資

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