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たとえば、これは女性特有の話題ですが、生理前後は眠くなったり落ち込みやすかったり、あるいはイライラしがちだったりしますよね。生理が始まると、自分の不調の原因がわかった、という人が多いと思います。でも、毎日、自分の体のログをとっていると「生理が近づいているから、眠くなりやすくなったり、ネガティブになりやすくなったりするな」と予測して、対策することができるようになります。生理前は骨盤が開いて便秘になりやすく、体重が少し増えてくるんですね。毎日体重を記録していると、体重が増えてくると生理が近づいているとわかるから、自分のコンディションも整えやすくなるんです。

──ご自身のパフォーマンスも可視化されているんですね。

そうですね。あとは、自分の気分も常に分析しています。その時に使うのが、うつ病の問診票です。目的は、うつ病かどうかを知ることではなくて、自分のその時の気分を点数化すること。WEBでうつ病の診断に使うチェックリストを検索できるので、「体がだるく疲れやすいか」「食欲はありますか」などの項目をチェックしていき、自分の気分に点数をつけています。

──今後の展望を教えてください。

2003年にヒトゲノムが解読されてから15年以上が経ち、ゲノムの解析コストが下がり、世界中で研究が飛躍的に進められてきました。ところが、ヒトゲノムの研究の8割が欧米人のゲノムで、アジア人のゲノムの研究はまだ未着手の部分が多いんです。ということは、私たち研究者にとってみれば、まだまだいろんなことを解明していけるフェーズであるということ。

具体的には、これまで疾患の研究をメインに進められてきましたが、これからは遺伝子から運動能力や、ストレス耐性、美容の情報など、より身近なところに関する研究も始まってきています。たとえば、肌も紫外線に対する耐性は人によって全然ちがって、紫外線から細胞核を守りやすい体質かそうでないか、あるいは、シミやシワができやすいかなどの仕組みを遺伝子データや生体データをハックして研究していきたいですね。


高橋祥子◎ジーンクエスト代表取締役、株式会社ユーグレナ執行役員。京都大学農学部卒業、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。東京大学大学院在学中の13年6月にジーンクエストを起業。生活習慣病など疾患のリスクや体質など約300項目の遺伝情報について知ることができる個人向けの大規模遺伝子解析サービスを行う。

文=吉田彩乃 イラストレーション=Willa Gebbie

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