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──遺伝子研究をしていた大学院在学中に起業したので、ビジネス経験はほとんどなかったことになります。起業してから、ビジネス面でのご苦労も多かったのではないですか?

そうですね。一度も就職していなかったので、業者さんとのやりとりや、WEBサービスや事業の作り方、営業のしかたも何も知らない状態で、最初は失敗やうまくいかないことも多かったです。人脈もゼロだったので、経営者の方の講演に行って、その場で名刺を渡して挨拶をするところから始めました。でも、ほとんどは、その場の受け答えだけで流されてしまっていましたが、なかには親身に相談にのってくださる方がいて、その方たちに支えられてきた気がしています。

──一番わくわくしたり、うれしかったりするのは、研究の成果が出たときですか?

研究によってなにかが解明されること自体も嬉しいけれど、もっと興奮するのは、その研究結果が次の未知の分野の扉を開く鍵となった瞬間ですね。ここまでわかったから、次はこんな価値のある大きなことができるかもしれない、と予感した瞬間が一番わくわくします。

──—研究を続けている限り、高橋さんのわくわくは続いていく、ということですね。

そうですね。遺伝子解析をメインに研究も事業も進めていますが、私の中では、遺伝子だけを扱っているという感覚はないんです。「遺伝子=ヒトの根本の情報」という意識が強いんですね。

これまでの研究によって遺伝子情報をもとにした体の情報がデータ化されて、疾患などに関する未来を予測し、それを変えていけるようになりました。私が次に解析したいのは遺伝子だけでなく様々な生体分子情報で、それを解析していくと「なんとなく体調が悪い」とか「なんとなく今日は気分がのらない」といった、病気まではいかないけれど、自分の体に起こる日々の変化を可視化し、原因と対策を明確にすること。「なんとなく」を、なくしたいんです。

──「なんとなく」をなくすのは、高橋さんご自身の徹底した体調管理にもあてはまりそうですね。

健康管理は趣味です。先ほどの話の続きになるのですが、自分自身の体調の「なんとなく」もなくしたいんです。そのために、体重、体温、睡眠時間、摂取カロリー、体調を毎日アプリに記録しています。管理すること自体も好きですし、データ分析をすることも好きです。

文=吉田彩乃 イラストレーション=Willa Gebbie

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