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──宮口さんから見て、イーサリアム財団はどんな組織ですか?

いわゆる会社っぽさはありません。金銭的には必要な人材を雇うこともできますが、敢えて団体を大きくしすぎず、外部の人材を中からサポートする形で運営しています。財団の持つコミュニティはオープンなので、人の出入りも自由です。

一般的には優秀な人材を見つけたら雇い入れると思いますが、そうすると財団が潰れたときに全部だめになってしまいますよね。一極集中するのではなく、分散させるのが、そもそもブロックチェーンの概念なので、私たちも非中央集権型の組織づくりにチャレンジしているんです。



──そんな組織の中で、宮口さんがエグゼクティブ・ディレクターに就任した背景について教えてください。

イーサリアムはビットコインに次ぐ暗号通貨であると同時に、ブロックチェーン技術を使ったプラットフォームでもあります。そのプラットフォーム上に分散型アプリが乗っていて、私は当初アプリケーション側の支援をしたいと考えていました。

そんなタイミングで誘われて、最初は迷いました。でもイーサリアムというプラットフォームがしっかり出来ていないと、その上に乗るアプリケーションも機能しません。当時は自分に何ができるか分かりませんでしたが、ヴィタリック(・ブテリン氏/イーサリアム創始者)のミッションには賛同できるので、サポートしようと決めたんです。

──イーサリアム財団は、貧困や教育格差など社会課題の解決を目指すプロジェクトがある一方で、ブロックチェーンブームの加熱によって、拝金主義的な文脈で見られることもあると思います。

私もヴィタリックも、お金儲けには全く興味はありません。彼は今でこそミリオネアとして経済誌に取り上げられることもありますが、全然お金を使わないんですよ。セキュリティ面を考えて、飛行機はビジネスクラスに乗るように言っても乗ってくれないくらい(笑)。

イーサリアムのコミュニティでも、暗号通貨の価格が下がっても何も変わりません。みんなの興味は、このプラットフォームがどんどんできていくこと。だから価格が下がっても、誰も気にしないんですね。

──とはいえ、イーサリアムの業界規模が大きくなるに従って、いろいろな人が寄ってきますよね?

お金がなくて、給料ももらわずにボランティアでやっていた時期は良かったんですが、最近はいろいろな欲を持って近寄ってくる人もいます。

イーサリアム財団が直接企画しているものの1つに「Devcon」というイベントがあります。ここではイーサリアムのフィロソフィーを伝えることを重視しており、「◯◯コイン」を売ります、みたいな人は入れないようにしています。

もし欲を持ってコミュニティに入ってくる人がいても、何かを強制することはありません。私たちのやり方や文化を伝えていくことで、それに賛同する人しかコミュニティ入ってこなくなるような仕組みにしたいと思っているんです。

インタビュー=谷本有香 構成・文=筒井智子 写真=小田駿一

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