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THE TRUTH


631試合のJ1最多出場記録保持者で、42歳だった昨シーズン限りで引退した元日本代表GK楢崎正剛さん(前名古屋グランパス)が出場した公式戦は878試合だった。52歳の現役最年長選手、FW三浦知良(横浜FC)でも届いていない大記録にも、遠藤はいつものように飄々としていた。

「現役で長くやれてこその数字だと思うので、非常に嬉しく思います。いろいろな人に支えられながらここまで来たので感謝の気持ちと、これから先、少しでも伸ばしていければいいかなと」

目の前の公式戦に、コンスタントに出場し続けてきただけではない。2001シーズンから所属し、キャリアのほとんどを捧げてきたガンバ大阪を常に勝たせてきたからこそ、リーグ戦の上位チームやカップ戦の覇者が出場権を得られる国際大会のピッチにも数多く立ってきた。

たとえば58試合を数えるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)は、今年5月にFW興梠慎三(浦和レッズ)に更新されるまでは、日本人選手の歴代1位にランクされていた。対照的にYBCルヴァンカップの出場試合数が歴代14位にとどまっているのは、ガンバがACLに出場し続けてきたことで、日程が重複するグループリーグを前身のヤマザキナビスコカップ時代からシードされてきたからだ。

日本代表でもジーコ、イビチャ・オシム、岡田武史、アルベルト・ザッケローニ、そしてハビエル・アギーレの歴代監督のもとで152試合に出場してきた。中盤の底から長短の正確なパスを配球する稀代のプレーメイカーは戦術理解度が高く、一方で好不調の波が小さいがゆえに常に重用されてきた。


(Hiroki Watanabe /by Getty Images)

遠藤に次ぐ歴代2位が、浦和レッズでプレーした2002年に引退したDF井原正巳さん(現柏レイソルコーチ)の122試合であることを見ても、いかに群を抜く数字であるかがわかる。歴代4位、現役選手ではFW岡崎慎司(マラガ)の119試合に次ぐ117試合に出場しているDF長友佑都(ガラタサライ)は、遠藤の記録に挑むと明言した一方で、自身のツイッターでこんな言葉をつぶやいている。

「ここにきて改めてヤットさんの凄さを痛感する。152試合て。。数字積み重ねてるはずやのに、遠のいていく感覚。ここからがより一層厳しくなるのを俺なりに知ってるんだよ」(原文のまま)

栄光の二文字に彩られてきただけではない。日本代表では辛さも味わされている。たとえば、ワールドカップ代表に初めて選出された2006年のドイツ大会。ジーコ監督に率いられた日本代表で、20人を数えたフィールドプレーヤーでただ一人、出場機会が訪れなかった。

文=藤江直人

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