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ビジネスマンの新常識 「教養」としての健康情報


例えば、ある治療が病気に効果があるとわかっていても、患者さんご本人は長引く闘病に疲れ、これ以上は自然に任せたいと希望している。でも、家族は可能を信じ、治療を強く要望している。ところがその治療は金銭的・時間的な負担が大きく、ご本人や家族が耐えられるかどうかもわからない……。こんなケースは少なくないのです。

医学的な「正解」は明らかでも、その治療を行うかどうかを考えた場合に「正解」はない。

そんなケースにおいて、現状開発されているAIが適切な回答を用意できるかと言うと、それは難しいというのが正直なところです。

「正解のない問題」に立ち向かうときに必要なのは、その治療を受ける患者さんの生活や人柄、その文化的背景までを総合的に考え、悩みぬくことです。そのためには、治療しようとするものとされるもののコミュニケーションが十分に取られていなければなりません。でも現状、医師など医療者の業務は多岐にわたり、患者さんとのコミュニケーションの時間がどうしても限られてしまうこともあります。

もしAIを導入することで労力が減れば、「正解のない」より深い問題に取り組むための余裕が、医療者にも、そして私たち患者側にも生まれるかもしれません。

ときに「魔法の杖」かのように報道されることも多い人工知能・AI。

期待の大きさの一方で、「医療現場をすっかり変えてしまう」というほどの存在にすぐになりえるわけではなさそうです。でも、AIが得意なことと人間が得意なことを適切に見極めて「役割分担」が出来れば、いまより良い医療が実現する大きな潜在能力を持っていることも確かなようです。

「有能なアシスタント」AIが変える医療の姿。それはいったい、どんなものになるのか?楽しみなような、ちょっと怖いような?複雑な気持ちになりますね。

その「未来」はもう、すぐそこにまで来ています。

連載:ビジネスマンの新常識 「教養」としての健康情報
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文=市川衛

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