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全米低所得者向け住宅連合(National Low Income Housing Coalition:NLIHC)はこのほど、「Out of Reach」(手が届かない)というタイトルの2019年版報告書を公表した。アメリカにおける住宅難が、賃貸住宅に住む多数の人たちに影響を与えていることを明らかにする内容だ。

報告書が注目したのは、「住居賃金(Housing Wage)」と呼ばれる統計値だ。住居賃金とは、フルタイム労働者が住居費を収入の30%以内に抑えた状態で賃貸住宅を借りるために稼がなくてはならない時給の試算だ。

「公正市場家賃(fair market rent)」に基づくと、2019年では、標準的な2ベットルーム住宅を借りるために必要な時給は22ドル96セント(約2477円)、標準的な1ベッドルーム住宅の場合は18ドル65セント(約2012円)だった。

連邦政府が定める最低時給7ドル25セント(約782円)で働く労働者が2ベッドルーム住宅を借りるには、1週間にざっと127時間も働かなくてはならない。これは、フルタイムの仕事を3つ以上掛け持ちした時間数に相当する。

こうした問題は地域的なものではない。最低時給で働くフルタイム労働者が2ベッドルーム住宅を借りられる州や都市、郡は、アメリカにはひとつもないのだ。

さらにこれは、最低賃金で働く人たちだけに限った問題ではない。NLIHCの報告書からはさらに、賃貸住宅に住む人の平均時給が、1ベッドルームの家を借りるために必要な時給より1ドル8セント(約117円)、2ベッドルームの家を借りるために必要な時給より5ドル39セント(約581円)少ないことが明らかになっている。つまり、賃貸住宅に住む平均的な人は、週に52時間働かないと、標準的な2ベッドルームの家を借りられないということだ。

借りる人がシングルファーザーやシングルマザーだったり、障害を持ちながら働いている人だったりすれば、状況はますます困難になる。心配なことに、アメリカにおいて就業者数が最大の職業トップ10のうちの8つの職業に就いている労働者のなかで、中央値の賃金を得ている人は、1ベッドルーム住宅を借りられる収入に届いていないと報告書には書かれている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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