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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

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仕事帰りの電車の中、あるいは夕食後リビングでくつろぎながら、スマートフォン片手に、何かいいものはないかとECサイトやアプリをチェックし、気に入ったものをカートに入れる──。

私たちの消費行動は、ここ数年で少しずつ変わってきた。経済産業省がまとめた報告書によれば、日本におけるBtoCのEC市場は約18兆円規模となり、EC化率は6.22%と右肩上がりを続けている。

一方、小売市場のEC化が先行するアメリカや中国などでは、OMO(Online-Merge-Offline)と呼ばれる新たなマーケティングの概念が台頭してきた。

もはやオンラインとオフラインの境界は曖昧になり、さまざまな企業がテクノロジーやデータを活用したマルチチャネルでの顧客体験価値を提供している。

アマゾンがアメリカ本国で提供している無人店舗サービス「Amazon Go(アマゾン ゴー)」や、シャネルがニューヨーク・ソーホーに構えた“コスメ試し放題”の店舗「ATELIER BEAUTE CHANEL(アトリエ ボーテ シャネル)」、中国で創業2年も満たないうちに2000店舗を突破した“注文から決済までスマホで完結する”コーヒーチェーン「Luckin Coffee(ラッキン コーヒー)」などがその代表例と言えるだろう。

テクノロジーで「レガシー」なアパレル業界の構造を変える

その後を追う形で、日本でもOMO型ビジネスが広がりつつある。その一つがカスタムオーダーアパレルブランド「FABRIC TOKYO」だ。FABRIC TOKYOはオンラインに自らのサイズデータを登録し、いつでもスーツやジャケット、シャツなどをカスタムオーダーできるサービス。2年連続で売上高は前年比300%の伸長を記録し、いままさに急成長を遂げている。

「僕自身、ファッションが好きなのに、既製品のサイズが合わない、という悩みがありました。自分自身が欲しいと思えるモノやサービスを作りたかったんです」と語るのは、FABRIC TOKYO代表取締役の森雄一郎。

森は不動産ベンチャー「ソーシャルアパートメント」や創業期のメルカリで経験を積んだ後、2012年に前身となる「ライフスタイルデザイン」を創業。2014年2月にFABRIC TOKYO(当時は「LaFabric」)をリリースした。

FABRIC TOKYOの特長のひとつに、D2C(Direct to Consumer)によって中間マージンを削減し、高品質なスーツを適正価格でカスタムオーダーできることがある。

顧客のサイズデータはクラウドで管理され、「いつでもどこでも」アイテムを購入することができる。そのビジネスモデルの秘密は、“レガシー”とも言われるアパレル業界の構造的課題へメスを入れたことにある。

文=大矢幸世

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