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野菜の一大産地であるサリナスバレー(c)shutterstock.com

AIに美味しいイチゴの見分け方を教えるにはどうすれば良いのだろうか。ディープラーニングを用いた食品検査を手掛ける「AgShift」の創業者兼CEOのMiku Jhaによると、その手法は3歳児にピンポン玉と卵の違いを教えるのと同じだという。

「両方とも白いが、“こっちがピンポン玉、こっちが卵”と繰り返し教えると、いずれは違いが理解できるようになる。我々の思考はそのようにできているのだ」と彼女は話す。

イチゴを検査するAIプログラムの学習にも、同じロジックが用いられている。「イチゴの痛んでいる個所を撮影した画像を何百枚も用いて、“良いいちご、悪いいちご、良いいちご、悪いいちご”といったようにモデルをトレーニングする。それだけだ」とJhaは述べた。

Jhaは、6月27日にカリフォルニア州サリナスで開催されたフォーブス主催の「アグテック・サミット(AgTech Summit)」にパネリストとして参加した。このセッションには、彼女のほかにヤマハ発動機傘下のベンチャーキャピタルの「Yamaha Motor Ventures」でCEO兼マネージング・ディレクターを務めるGeorge Kellermanや、アグリテックに特化したVC「Finistere Ventures」の共同創業者兼パートナーであるArama Kukutai、農業の自動化を手掛ける「Farmwise」の共同創業者兼CTOであるThomas Palomaresが登壇した。

野菜の一大産地であるサリナスバレーでは、シリコンバレー発のテクノロジーが多く導入されているが、VCマネーの流入はそれほど進んでいない。アグリテック企業の多くは成長に時間がかかるため、短期的なリターンを狙うVCから資金を調達するのに苦戦している。

また、Kellermanは、「伝統的なVCの多くは日和見主義で、他の大勢のVCの動きに従う」と指摘し、この業界が求めているのは長期的な視点に立って辛抱強く投資をしてくれるVCだと述べた。

農産物は収穫期が年に数ヶ月しかないため、この分野のソフトウェアは短いサイクルで開発を繰り返すことができない。しかし、カリフォルニア州、とりわけサリナスバレーは季節変動が少ないため、こうした課題に対処するには理想的な場所だという。

カリフォルニアは農業テックの理想郷

Palomaresは、フォーブスが発表した2019年版「30アンダー30」の製造業部門に選出された。PalomaresがCTOを務めるFarmwiseは、ロボットとコンピュータ・ビジョン、ディープラーニングを用いて雑草を検知し、除草剤で除去する技術を開発した。

収穫サイクルの制約を受けても、打開策はある。KellermanとKukutaiがニュージーランドとアイルランドなど海外に投資をした理由はそこにある。Kellermanが投資をしたAbundant Roboticsは、リンゴを収穫するロボットを開発している。

リンゴの収穫期は年に2カ月しかないが、同社は海外に活路を見出した。「彼らが開発したプロダクトは輸送用コンテナにピッタリ納まるよう設計されていた。オーストラリアに製品を送り、もう1シーズン収穫をすることを可能にした」と彼は話す。

編集=上田裕資

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