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働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル

(画像はイメージ、Shutterstock.com)

ちょうど10年前、オンライン大学「MOOC(Massive Open Online Course)」が登場しました。以来、インターネットの回線スピードが上がるのと比例して、世界中の知識や技術がオンラインによって繋がり、広がるようになりました。それによって、特に発展途上国とされる国々で、意欲を持った若い人たちの元に、様々な知識が行きわたるようになったのです。

そして10年経った今、すでにその結果が目に見えてわかるところまできています。

僕はここ最近、東南アジアの各国を回っています。インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイ、シンガポールやマレーシアを巡りながら、最先端のディープテック事情について勉強しつつ、現地の若い人たちと交流を重ねています。そこで今回は、東南アジアのディープテック事情について、レポートします。

そもそもディープテックとは何か? これは、バイオの力で、化学抗生物質を作ったり、遺伝子を操作したりする技術です。これまで、こういった研究は各所の研究室でクローズドに行われるものでした。しかし、AI時代では研究室同士がインターネットで繋がることによって、お互いの最新技術や研究結果などの共有が進み、より深い研究がなされるようになりました。

とりわけ、東南アジア各国では、進化の速さが顕著です。なぜならこれらの国々は、未だ多くの社会課題を抱えているから。そのため特に若い人たちは、ディープテックの力で世の中を変える思いが非常に強く、結果、目覚ましい発展を遂げているのです。

アブラヤシの廃棄物をエサに変える

その中から、ジャカルタの企業で、若干25歳の女性が成功させた研究についてご紹介します。インドネシアではパームオイルから採れるアブラヤシが、今も幅広く活用されています。これらは食用油にも石鹸にもなり、さらには火力発電の原料にも使われています。つまり、インドネシアはパームオイルに燃料依存しているため、油を抜いたアブラヤシの果実が多すぎて、長年、廃棄問題に悩まされています。

そこでこの女性は、廃棄になった果実をなんとか再利用できないものか考えました。そこで研究を重ね、果実の中に含まれる多糖体を取り出すことに成功します。これを、鳥の養殖に使うエサに変えるのです。

文=尾原和哲

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