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In Green / shutterstock.com

グーグルマップ上には、1100万件を超える偽業者が登録されている実態が、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道により明らかになった。グーグルマップのプロダクト・ディレクターを務めるEthan Russellは、報道内容が事実であることを認め、次のように述べた。

「これらの偽業者は、様々なテクニックを使って我々のシステムを騙そうとしている。我々が検知して削除すると、彼らは新たなテクニックを使ってすぐに再登録しているのが実情だ」

WSJが「グーグルマップに登録されている数百万もの企業がフェイクである」と報じると、グーグルは直ちに事態の改善に努めていると釈明した。しかし、WSJによると、毎月数十万もの偽業者がグーグルマップに登録しており、検索結果には数百万件もの偽業者の名称や住所が含まれているという。騙されたユーザーは、大きな代償を支払う危険性がある。

偽業者の摘発は、いたちごっこの様相を呈している。偽業者の多くは、配管工や電気技師、車の整備士など、緊急時に利用する業者に成りすましているケースが多い。グーグルは、問題を通報するポリシーやツールを導入し「より良い対策を常に講じている」と述べている。

グーグルは、声明の中で次のように述べた。「偽業者は、本来は無料のサービスをビジネスオーナーに提供して料金を請求することがある。また、実在する業者に成りすまし、詐欺行為を働いたり、見込み客リストを正規の企業に売りつけるといった行為も働いている」

司法省は、反トラスト法違反でグーグルを調査することを検討しているが、グーグルマップが地域社会に及ぼす影響も調査対象になると思われる。偽業者問題は、地域社会における商取引を歪め、リスクを生み出している。

グーグル検索に偽業者が表示されると、消費者に経済的な被害だけでなく、物理的な危険が及ぶ可能性がある。偽業者が、家庭に入り込んでサービスを提供する業者に成りすましている場合は、特にリスクが大きい。

巨大化し過ぎたプラットフォーム

グーグルによると、同社は2018年に300万件以上の偽業者を削除しており、このうち90%以上は検索結果に表示される前に削除したという。同社は、不正行為を働いたアカウントを15万件閉鎖したが、この数字は2017年から50%増加している。

「これらの詐欺は、グーグルを含め、関係者のほぼ全員が儲かる仕組みになっている。損をするのは、消費者と正規の業者だ」とWSJは述べている。

「毎月、世界中で10億人以上がグーグルマップを使っている。偽業者の割合は小さいが、彼らが詐欺行為を働き続ける限り我々は取り締まりを行い、より良いサービスの提供に努めていく」とグーグルは述べている。

グーグルの回答は、大規模で利便性の高いサービスを完全にコントロールすることは困難であることを示唆している。グーグルのプラットフォームを利用するユーザーの数は増加を続けており、消費者側もこうした問題の存在を受け入れているのが実情だ。

グーグルをはじめ、大手テック企業に対するセキュリティ向上の圧力は強まっている。しかし、これらの企業が巨大化し過ぎ、責任を逃れられるようになったことが問題の本質なのかもしれない。

編集=上田裕資

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