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佐伯ポインティとリブセンス桂大介

ここ最近、規模や領域を問わず企業の資金調達のニュースが頻繁に出るようになった。とある起業家に聞くと「10年ほど前に起業してイグジットし資金を持った起業家がエンジェル投資家として、若いスタートアップに投資する傾向が強まっている。いまの起業家にとっては、すばやく事業を伸ばせる環境になってきていると思う」と話す。数年前と比べ、起業家やスタートアップを取り巻く環境は整いはじめているのだろう。

一方で、上場や売却など企業価値をあげることばかりに注目が集まりすぎている懸念もある。近年勢力を増すVCは投資自体がビジネスであるため、当然投資先には事業の成長と結果を期待する。しかし、そのスピード感が必ずしもスタートアップ企業の思惑に合致するかといえば、そうとはいえない。

投資と寄付、何が違う?

そんな中、「資本を入れた途端、ビジネスの方向性が極端に制限されることがある。自由度を考慮して出資を受けるかどうか迷う声が増えています」と語るのはリブセンス共同創業者の桂大介氏だ。

2006年にIT企業リブセンスを共同創業し、史上最年少で東証一部上場を果たした経歴を持つ桂氏だが、17年に取締役を退任した後、投資ではなく、「寄付」という形でスタートアップ企業の支援を続けている。今年5月にはNPO法人D×P代表理事の今井紀明氏、CAMPFIRE代表の家入一真氏らとともに寄付先が選べるプラットフォーム「SOLIO」を立ち上げた。

投資と寄付の大きな違いは、端的にいえば、営利目的かどうかと桂氏。エンジェル投資家が起業家の信念に惚れ込み、採算度外視で投資をすることも多いが、当たり前だが、投資マネーは事業成長のために使うものだ。

「出資を受ければお金を預かっている以上、イグジットプレッシャーがあるのは当然。もちろん投資がダメだというつもりは一切なくて、私が起業した当時から比べれば環境は良くなっています。ただ投資は万能ではありません。投資によって解決できる問題は限られています。僕は寄付という選択肢によって全体のバランスをとりたいんです」

出資を受けるよりも「プレミアチケットを売る」

桂氏は今月、「猥談バー」を経営するポインティへ寄付をした。「猥談バー」とは、“面白いエロ”をテーマに猥談をするためだけの場所。18年9月に「キャンプファイヤー(CAMPFIRE)」で700万円以上の資金を集め、同年11月2日には法人登記を申請し企業として動き始めた。

創業者の佐伯ポインティ氏はクリエイター・エージェンシーのコルク出身、“エロデューサー”を名乗って活動している26歳。19年6月には桂氏をはじめ、モバイルファクトリー代表の宮嶌裕二氏、バーリトゥード代表の高梨大輔氏、エンジェル投資家の河畠輝氏、山本彰彦氏らから資金調達をし、カップル・夫婦向けのデート脚本提案サービス「なりきりデート」という新規事業を始める。

文・写真=角田貴広

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