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今年で3回目となる米国のポッドキャストの広告売上に関するレポートを、ネット広告の業界団体「Interactive Advertising Bureau(IAB)」とPwCが発表した。今年も売上は増加したが、成長は鈍化したことが伺える。
 
報告書によると2018年のポッドキャストの広告収入は4億7900万ドル(約520億円)で、2021年までに10億ドルを突破する見込みだ。前年比53%増だが、成長率は今後数年で20%まで下がると見られている。
 
ポッドキャストの広告収入は他のオーディオコンテンツと比べると低い。前年度のPwCの「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック」ではAM/FMラジオ局のインターネットストリーミングの広告収入が、2018年には16.5億ドル(約1800億円)になり、2021年までには22億ドルにまで増えると予測された。
 
広告を収入源とする音楽ストリーミングには「パンドラ」や「iHeartRadio」に加え「ユーチューブ」や「スポティファイ」が含まれるが、全米レコード協会(RIAA)によると2018年の広告収入は30億ドル程度だった。
 
一方でポッドキャストのリスナー数はメインストリームレベルに達したと言える。調査会社Edison Researchが発表した報告書「Infinite Dial」によると、2018年のポッドキャストの月間リスナー数は7300万人で、12歳以上のアメリカ人の26%に上る。
 
オンラインオーディオ全体の月間リスナー数は1億8900万人で、12歳以上のアメリカ人の64%だ。つまりポッドキャストのリスナー数はオンラインオーディオの40%程度だが、広告収入は15%以下なのだ。
 
ポッドキャストが商業的に魅力的なメディアになるためには、広告以外の収入源を見つけなくてはならない。ポッドキャスターが現在、リスナーから利益を得る方法は2つある。課金とクラウドファンディングだ。
 
クラウドファンディング特化の収益化も
 
ポッドキャストでのクラウドファンディングには複数の形があり、数値化するのが難しい。一部のポッドキャスト運営元は決済サービス「Stripe」や、クレジットカードなどのオンライン決済で資金を集めているが、クラウドファンディングで資金を集める運営元もある。中国のスタートアップHimalayaはマイクロペイメントによる決済機能を備えたポッドキャストアプリを提供している。
 
クラウドファンディングによって最も資金を集めている「パトレオン(Patreon)」の場合、上位200のポッドキャスターには、合計46万人以上の登録者が付いている。公表されている売上額から推測すると、上位200のポッドキャスターの登録料収入の合計は約2600万ドル(約28億円)だ。
 
今回発表された報告書から読み取れるもう1つの限界が、ポッドキャストで提供できる広告のタイプだ。ポッドキャストの広告のほとんどが、番組に組み込まれるネイティブ広告だ。この類の広告の問題は拡張性がないことだ。2018年のポッドキャストの広告の63%がネイティブ広告だが、前年から67%減っている。
 
さらに広告はクラウドファンディングに比べてコストが高く、売るのにもトラッキングするのにも時間がかかる難点がある。世界有数のポッドキャスターで「週4時間労働(The 4-Hour Workweek )」の著者Tim Ferrissは、「半年間は全ての広告とスポンサーを排除してクラウドファンディングのみで運営する」という実験的取り組みを発表した。
 
ポッドキャストが今後どこまで商業ベースに乗るかは不透明だ。しかし、実験的な取り組みやイノベーションなくしてメインストリームに定着することはできないだろう。

編集=上田裕資

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