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AI通信「こんなとこにも人工知能」

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感情や気持ちを解析するAIが、選挙や世論調査の舞台でも活用されていくかもしれない。

米国やインド、フランス、韓国に拠点を構えるAI企業・BPU Holdingsが、自社で開発している感情分析ツール「ZimGo Polling」を利用して、2020年に行われる韓国・国会議員選挙の結果を予測すると発表した。

ZimGo Pollingは、選挙を含む各分野の世論を測定するAIツールだ。あるイベントの期間中に発生するSNS上のデータを分析して、ユーザーの感情や性向を把握する。2012年に行われた韓国・第18代大統領選挙の際には、大手世論調査会社6社よりも精度の高い予測結果をはじきだしたことがある。2018年11月に行われた米国・イリノイ州知事選挙でも、6か月間にわたり毎日約5億件のデータを分析。約2%の得票率の誤差範囲で結果を予測することに成功している。

ZimGo Pollingの特徴は、スタンプや絵文字、新造語、スラング、方言などを含めた、さまざまな感情表現を分析することができる点だ。また、文単位ではなく段落単位でテキストを解析。書き手や情報発信者の内面を分析すると同時に、マシンラーニングで個人の感情パターンも評価していく。

BPU Holdingsの最高戦略責任者であるCraig Burton氏はメディア取材に対し、既存の電話および対面方式の調査方法とは差別化された正確な調査が可能だと答えている。また、ZimGo Pollingを利用することで、世論調査会社は費用やコストを削減すことができるとも主張している。また、同社オ・サンギュ氏は、ソーシャルネットワークが生活に浸透した“超連結社会”において、既存の調査とは異なった世論調査方法が必要されていると指摘。感情を分析する次世代AIを駆使するなど、よりスマートな分析方法を確立すべきだと主張している。

世論調査を分析するツールが変化を遂げれば、選挙活動や企業のマーケティング手法も変化していくはずだ。すでに米国などでは、SNSが選挙活動の主な舞台のひとつになっているが、世界的にもオンラインの重要性がさらに高まっていくかもしれない。SNS上の反応が結果に直結するということが証明されれば、それが逆手に取られ、よりポピュリズムを刺激するような、扇情的なパフォーマンスがオンライン上で乱用されていく可能性もある。政策の正しさや真の企業価値を見抜く目が、ユーザー側にはさらに求められていきそうだ。

連載 : AI通信「こんなとこにも人工知能」
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文=河鐘基

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