I write about innovation trends in global hotspots.

Photo by David Becker/Getty Images

テック業界の伝説のアナリストと呼ばれる、メアリー・ミーカーの「インターネット・トレンド」レポートの2019年版が6月11日に発表された。本年度のレポートでは中国のネット企業の動向が詳細に分析された。
 
そこでは、モバイルコマースの「Pinduoduo(拼多多)」や、フードデリバリーから配車事業、映画や鉄道チケットの販売までを行う「美団点評」、動画アプリの「TikTok」の人気ぶりなどについて、多くが語られた。かつては西側のビジネスモデルを模倣するだけだった、中国のインターネット企業らは目覚ましい成長を遂げている。
 
ミーカーはWeChatやアリペイなどのモバイル決済が、いかに中国のモバイル市場の成長を牽引したかについてもふれている。米国はモバイル決済分野で中国に遅れをとり、米国人の大半は今でもクレジットカードに頼っている。
 
中国で生まれたイノベーションは、今ではフェイスブックのような米国の大手企業にコピーされるようになった。フェイスブックはWeChatのグループメッセージ機能を模倣し、EコマースにおいてもWeChatに類似した機能を持たせようとしている。
 
今回の「インターネット・トレンド」では、中国のデジタル市場がいかに巨大であるかにもふれられた。世界で最も企業価値が高いテック企業10社のうち、2社は中国のアリババとテンセントだ。さらに、世界のインターネット人口の21%にあたる約8億人を中国人が占めている。彼らの大半が、デスクトップではなくモバイルでインターネットを利用している。
 
ミーカーが今回のレポートで述べた中国のテック企業の隆盛ぶりは、筆者が先日発表した著書「Tech Titans of China」にも詳しく記載されている。この本は、中国のテック企業の資金調達状況や企業動向を詳細に追ったものだ。さらに各企業の戦略の詳細や事業内容についても、分析を加えている。
 
中国がテクノロジーの超大国となった今、中国企業に対する理解を深めることは今後のビジネスにおいて有用だ。中国のテック企業らは今や、シリコンバレーの大手らを脅かす存在になった。

編集=上田裕資

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