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女子サッカーは、ここ数年で人気が急上昇している。フランスで開催されている2019年FIFA女子ワールドカップ(W杯)の世界全体の視聴者数は、10億人に達する見込みだ。とりわけアメリカでの注目度は高い。6月11日(現地時間)には、前回覇者のアメリカ女子チームがタイトル防衛のためにタイと初戦を戦い、勝利をおさめた。

女子サッカーの試合に注目が集まっていることで、女子と男子の収入と優勝賞金の違いが話題となり、大きな議論が巻き起こっている。国際サッカー連盟(FIFA)は2018年10月、女子W杯の大会賞金の総額を、1500万ドル(約16億2700万円)から3000万ドル(約32億5400万円)に倍増すると発表した。とはいえ、32か国が参加した2018年男子W杯ロシア大会は賞金総額が4億ドル(約434億円)だった。女子W杯フランス大会との差は3億7000万ドル(約401億円)になる。

2018年男子W杯で優勝したフランスが持ち帰った優勝賞金は3800万ドル(約41億2100万円)。これは、24か国が戦う今回の女子W杯の賞金総額よりも多い。女子アメリカチームが王者の座を維持したとしても、国に持って帰れるのは400万ドル(約4億3400万円)だけだ。

こうした大きな格差があることから、選手たち自身もますます疑問を呈するようになっている。そのきっかけは、2015年女子W杯で優勝したアメリカ代表チームの一員だったホープ・ソロの発言だ。ソロはBBCに対して、「男性優越主義はFIFAに深く定着しており、それが賞金の格差に反映されている」と述べた。

2015年W杯でゴールキーパーを務めたソロは、最も声高に改革を叫んできた選手のひとりだ。複数の女子選手が、男子との同一賃金を求めて米サッカー協会を雇用機会均等委員会に訴えたときには、自ら先頭に立った。他国もそれに続いている。オーストラリア選手組合は、今回のフランス大会直前、FIFAに対して、W杯で支払われる賞金を男女同一にするよう求めた。

2016年には、アフリカ女子ネイションズカップで優勝したナイジェリア代表チームが、未払い金があるとして、ナイジェリアの首都アブジャのホテルで座り込みの抗議行動を行った。

さらに、ノルウェーのアーダ・ヘーゲルベルグが2017年、ノルウェー代表チームを辞退したことは有名な話だ。ヘーゲルベルグは、年間最優秀選手に贈られるバロンドール賞に女子部門が創設された2018年12月に初代受賞者となった選手だが、2017年には、ノルウェーサッカー連盟による女子選手への待遇を理由に代表チームを辞退した。同連盟はその後、ノルウェー代表選手には男女関係なく同一額を支払うことに同意したものの、ヘーゲルベルグは「道のりはまだ長い」と述べ、2019年W杯への出場を拒否した。

サッカーW杯でFIFAが支払う賞金額

2018 FIFA ワールドカップ:総賞金:4億ドル、優勝賞金:3800万ドル
2019 FIFA 女子ワールドカップ:総賞金:3000万ドル、優勝賞金:400万ドル

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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