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「コンシューマーレポート誌の記事内容を、メーカーはアレンジして引用していてはいけない、という取り決めがあります。センテンス(一文)だけ抜き出して、”褒められました!”などとホームページに書いてはいけないのです。だからスバル・オブ・アメリカは基本的に結果について何も語っていませんが、消費者の反応は早かったということですね」。シオッカCEOは笑顔でそう語る。


「スバルとともにわれわれの会社も大きくなりました」と語るシオッカ氏。スバルの好調な売れ行きをうけ、新たな拠点をフィラデルフィアに構える準備を進めているという。

スバルで興味深いのは、消費者とつながりを持つことにかなり積極的なことだ。好例が「The Subaru Love Promise」。スバル・オブ・アメリカは「Love Promise」キャンペーンサイトで、「ドネーションだけでなくアクションでカスタマーとの関係を結ぶこと」と綴っている。

同サイトでは、「スバルは愛する」という言葉の後に、「ペット」「地球」「学習」「手助け」「ケア」と目的語が続く。たとえば「手助け」をみると貧困層へのフードプログラムにボランティアで(ディーラー単位で)参加するとある。

「コンシューマーレポート」誌でナンバー1という評価は、スバルの活動の総括とみていいのかもしれない。クルマに乗ることを広範囲でとらえて、消費者とさまざまな点でつながる。これこそ、消費者運動がさかんな米国で、最高評価を獲得するスバルのパワーなのだろう。

消費者にも環境にも「いい流れ」

つながりでいうと、スバル・オブ・アメリカとスバル車のディーラーの密接な関係も注目に値する。スバルでは認定中古車制度を設けている。そして、購買客には、次に新車へと買い替えるときに使える500ドルのクーポンが提供される。メーカーが直接サポートする認定中古車なので、値落ちが緩やかなのは消費者に大いに歓迎されるという。

下取りした認定中古車は新しい顧客がすぐに見つかる。一種のリサイクルチェーンのような、いい流れが出来ている。消費者にとっていいことが、環境にとってもいいこととなる。

さまざまな分野への目配りゆえ、スバル車は、広い層に受け入れられているのだ。なかには、環境コンシャスな人、自然好きな人、社会とのつながりを大事にする人、そして楽しい運転を好む人が含まれる。米国の取材でそれがよくわかった。単なるマーケティングを超えた活動が、スバルの真骨頂なのだろう。

編集=青山 鼓 文=小川フミオ

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