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ゼロイチの創り方を考える

写真提供=MUSCA

新しい事業の開発は一つ一つが一点モノで、しかもナマモノだ。経験のない数多くの課題に直面し、状況は日毎に変化していく。

そのような中で、事業開発を前に進められるかどうかはメンバーひとりひとりの「想い」に懸かっている。困難な壁が立ちはだかったとき、諦める理由はいくらでも考えつく。しかし、諦めない限り決して失敗することはない。そこに「必ず実現する」という想いがあれば、壁を越えるための方法が見つかるまで足掻き続けることができると思う。

「想い」の起点でカテゴライズできるか

世の中では沢山の新規事業が次々と立ち上げるが、それぞれの「想い」はいつどこからやってくるのだろう。前回のコラムでは映画『パッドマン』をテーマにその「想い」に注目したが、今回からは色々な領域での新規事業・スタートアップの想いの源を深掘りし、ゼロイチの創り方のヒントを探していきたい。

新しい事業を立ち上げる目的は人によって様々だ。個人的な興味・関心を形にする人や、大きな社会課題の解決に挑む人、身近な人々を幸せにしたい人、ある時代のビジネスの大きな流れに乗る人、起業自体が目的の人など、私も実際に色々な事業立ち上げのケースを目にした。

スタートアップ企業や企業内で新規事業を取材し、立ち上げを考えた時点の「想い」の種類によって新規事業開発をカテゴライズしていきたいと思う。

世界を救うハエ



初回で話を聞いたのはムスカ(MUSCA)代表取締役CEOの流郷綾乃さん。ムスカはTechCrunch TOKYO 2018のスタートアップバトルで最優秀賞を獲得したり、つい先日も丸紅に続き伊藤忠から出資を受け戦略的パートナーシップを締結したりと、今最も注目されているスタートアップの一つだ。

その事業は「イエバエ」というハエの一種の生態を利用し、生ゴミや畜産の糞尿から肥料と飼料を生産する100%のバイオマスリサイクルシステムだ。生産された肥料は野菜や果物の栽培に、飼料は魚の養殖などに使用される。

ムスカの事業は肥料業界の廃棄物処理や温室効果ガス、地下水汚染の問題だけでなく、飼料業界の資源枯渇の問題も解決できる可能性を秘めており、ハエで世界を救う事業だ。

ムスカはなぜイエバエを使った事業を始めたのだろうか。食料危機や畜産廃棄物といった大きな社会課題を「ハエで解決しよう」という発想はどこからやってきたのだろう。流郷さんの口からは、まったく予想しなかった答えが返ってきた。

文=入澤諒

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