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ニコ・ロズベルグ(Photo by Axel Schmidt/Getty Images for Greentech Festival)

2016年にルイス・ハミルトンを倒してF1世界王者に輝いたニコ・ロズベルグは、その年の12月に現役引退を発表し、30歳で全てをやり終えたかに見えた。

ロズベルグは今、スタートアップ投資家として配車サービスの「リフト」や空飛ぶタクシーの「リリウム(Lilium)」、位置情報テクノロジーの「What3Words」、電動スクーターの「Tier Mobility」などを支援している。

先日、スロバキアの首都ブラチスラバで開催されたフォーブスの「アンダー30サミット」の会場でロズベルグは、かつてチームメイトだったハミルトンの業績を讃えた。「ハミルトンとは13歳の頃からレースで競い合い、自分はいつも負けていた。彼を打ち負かすために、最後のシーズンでは全力を振りしぼった」

投資家となったロズベルグは世界を飛び回り、中国の自動運転企業やフード系スタートアップ「Just Egg」など多様な起業家とミーティングを重ねている。

スポーツの世界でもビジネスにおいても、目標設定が大切だと彼は話す。「F1は自分の人生の通過点だと考えている。今は新しい分野で成功を収めることを目指している」

ロズベルグはFIを通じて、チームビルディングを学んだ。「メルセデスのチームでは1500人の人々が働き、2台のマシンに3億5000万ドルの予算が費やされていた。レースの世界ではリスクマネジメントが鍵となるが、これはビジネスと同じだ。自分はドライバーとしては保守的なタイプで、時には一歩前に突き進むことの大切さも感じていた」

ロズベルグが投資対象として注力するのはモビリティの分野で、彼の投資ポートフォリオにはリフトやリリウム、電動スクーターのTierなどの企業が並んでいる

また、もう一つの出資先が位置情報を手がける英国企業のWhat3Wordsで、同社は3つの単語で世界のあらゆる場所のロケーションデータを表示しようとしている。

What3Wordsの共同創業者のクリス・シェルドリック(Chris Sheldrick)は、ロズベルグと壇上にあがり同社の野心的プランを明かした。

「モンゴルでは多くの人が住所を持っていない。What3Wordsのデータはモンゴルの郵政公社や銀行にも導入された。インフラが未整備な新興国とのビジネスには巨大な成長が見込める」とシェルドリックは話した。

「グーグルのようなシリコンバレーの巨大企業と戦っていくための戦略は?」とロズベルグが尋ねると、シェルドリックはこう返した。

「僕らはGPSという複雑な仕組みをもう少しシンプルにする。プログラマーとしての自分は複雑なコードを書くのも好きだが、コンシューマーが求めるのはシンプルなものだ。3つの単語を使ってこの勝負に勝つつもりだ」

文=Alex Wood、David Dawkins 編集=上田裕資

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