Close RECOMMEND

世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

飲食店予約アプリ、テーブルクロスを運営する同社社長の城宝薫は5年前、大学3年生で起業した。当時は「経営のけの字も知らなかった」というが、飲食店予約事業と途上国での給食支給という社会貢献の両立を目指す若手女性起業家として、メディアや講演会で引く手あまたになった。

注目を浴びる一方で、売り上げは伸び悩み、開発費用が追いつかずに起業2年目で資金ショートに。 「寄付をする意味はあるんですか」。当時の出資元や社内から会社の根幹を揺るがす質問が投げかけられた。

アプリは成果報酬型。客が予約すると、飲食店は一人当たり180円を支払う。150円は同社の収入、残り30円はNPOに寄付される。

飲食店予約は競合が多く、手数料の値下げ競争も激しい。手数料収入の約16%寄付は容易ではない。「なぜ会社をやるのか、立ち戻るいい経験でした」と振り返る。

同社では年2回、社員や関係者と支援先を訪問する。2018年にはカンボジアの小学校でカレーを作った。支援を始めた5年前は生徒数50人ほどだったが今は約5倍に増加。食事をきっかけに学校に来る機会を増やすことができたと実感する。

「社員を解雇したり、火事でオフィスの立ち退きにあったり、倒産の危機もありましたが、経営は私にとっての自己表現。年々モチベーションが下がらなくなりました。日常で負担を感じずに、寄付する文化を広めることが変わらぬミッションです」

今後は、途上国だけでなく、日本国内の福祉分野へ寄付先を広げる予定だ。「日本の社会保障費は大きな課題ですが、寄付文化を広げれば日本を救うポテンシャルがあると思います。ファンを地道に増やして、会社の規模を拡大すれば、寄付文化も広がるはず。その仮説を検証している最中です」。


じょうほう・かおる◎1993年生まれ。立教大学経済学部卒業。2014年にテーブルクロスを起業。個人投資家らから約2億3,000万円を資金調達。アプリには10,000店が掲載中で、18年は給食20万食を7カ国に届けた。

文=成相通子 写真=帆足宗洋

VOL.27

「この世からCが消えたなら」 がん治療に生か...

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい