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旅から読み解く「グローバルビジネスの矛盾と闘争」

5月16日から18日の3日間、フランス・パリでテクノロジーを中心にしたイノベーションとスタートアップの祭典、Viva Technology(VivaTech)が開催された。

2016年から毎年開催されている本イベント。世界の大企業や政界、スタートアップ界のリーダーが講演やパネルに参加するほか、企業、起業家、政府機関などがブースを持って、それぞれのアジェンダを展開する。公式発表によると、第4回の今回は125カ国から12.4万人が参加。1万3000のスタートアップ、3300人の投資家、2500人のプレス関係者が集結した。

初日はカナダのジャスティン・トルドー首相が基調講演を持ち、フランスのエマニュエル・マクロン大統領も欧州起業家と議論。2日目は、ルワンダのポール・カガメ大統領とセネガルのマッキー・ソール大統領も参加するなど、政界の首脳陣も存在感を見せた。



グーグルやアマゾンといった消費者にもお馴染みのテクノロジー企業、SAPやセールスフォースといったB2B企業、車、ドローンなどのモビリティ系企業、AI、ロボティクスなどのスタートアップに加え、LVMHやロレアルなどのブランド企業、スタートアップとの協業を図るその他の大企業、フランス軍やフランス各地域、各国の代表機関といった政府機関……テクノロジーが核とはいえ、講演者・参加者の国籍や職業・役割も多様だ。

最終日の土曜日は、業界関係者だけでなく一般に開放され、子ども向けのイベントも開催されるなど、誰しもが何かしらの「おもしろいもの」を発見できる場だといえる。

アフリカテックの存在感

筆者が注目していたのは、アフリカ関連の企業やアジェンダ。アフリカは昨年からVivaTechにおける主要な柱の一つだ。アフリカには、フランスの元植民地である国も少なくない。若者が中心で、新たなアイデアに溢れ、ますますの経済成長が期待されるアフリカに、フランスが注目する意図を推測するのはそう難しくない。

VivaTechではトラックと呼ばれる9つのテーマがあり、それに基づいて主要な講演ステージが設けられているが、アフリカテック(AfricaTech)もトラックの一つだ。そのメインステージを中心に、会場全体に様々な「アフリカ」を見つけることができた。公式発表によるとアフリカ大陸から160のスタートアップが参加した。



例えば大企業では、イベントのプラチナパートナーの一つである通信会社のオランジュ(Orange)。同社はフランス語圏を中心に、アフリカ大陸の約20カ国でのプレゼンスがある。会議初日で講演したステファン・リシャール会長兼CEOは、「アフリカは世界の中で最も、デジタル化の好影響を享受する」と発言。アフリカでのさらなるコネクティビティ強化の意思を表明した。

アフリカテックのトラックでは、金融のソシエテ・ジェネラル、製薬・バイオテクノロジー企業のサノフィ(Sanofi)、エネルギー系のトタル(Total)とヴァンシ・エナジー(Vinci Energies)が、それぞれスタートアップと連携するラボを展開。アフリカで必要とされるフィンテック、医療・保健関連、電力といった基礎インフラの展開をサポートするスタートアップらが中心となり、ブース展開やピッチプレゼンを行っていた。

多くのスタートアップがアフリカでの課題解決に取り組む中、彼らがパリでプレゼンを行うこと自体に事業的メリットがあるのかどうかは判断が難しいが、確実な存在感は発していたように思う。

文=MAKI NAKATA

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