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アマゾンが格安携帯キャリアの「Boost Mobile」の買収に興味を示していることが、5月31日のロイターの報道で浮上した。Boost Mobileはスプリントのプリペイド携帯部門で、Tモバイルとの合併を計画中のスプリントは、合併の際にBoost Mobileを売却する可能性がある。

アマゾンが通信キャリアビジネスへ参入することは非常に興味深いが、ここで最も気になるのが、Boost Mobileの買収がアマゾンの音楽ストリーミング事業に与える影響だ。

Boost Mobileを傘下に収めれば、アマゾンは追加のインフラ投資を行わずに通信キャリア事業を始動できる。モバイル端末のエンドユーザーへの近さの点では、アマゾンよりもアップルが一歩先を行っているが、アマゾンが通信キャリア事業に参入すれば、同社はメーカーを問わず、自社の通信回線を利用するスマホユーザーに接近できることになる。

アマゾンは自社ブランドのスマホを市場に投じることで、ユーザーとより親密な関係を築けるだろう。しかし、自社で通信キャリアを運営すれば他のストリーミング企業よりも優位なポジションでゲームを進められる。

現代の音楽消費の大半はモバイルで行われている。スマートスピーカー市場のリーダーであるアマゾンが、モバイルの音楽ストリーミング市場の地盤固めに乗り出すのは自然な流れだ。

アマゾンはモバイル通信サービスをプライム会員向けにバンドルすることも可能であり、そこにアマゾンミュージックを組み込める。プライム会員に興味がない利用者にも、アマゾンミュージックをアピール可能になる。

仮にアマゾンのモバイル通信サービスが、音楽ストリーミングの利用料込みで提供されるとしたら、消費者にとっては大きな魅力となるだろう。

音楽ストリーミングのユーザーは、一度使い始めたサービスをなかなか乗り換えない傾向がある。しかし、通信キャリアに関しては、より頻繁に乗り換えが起こっている。スポティファイに月額9.95ドルを支払うユーザーが、同等のサービスを通信料金込みで提示されたなら、乗り換える可能性は非常に高い。

アマゾンによるBoost Mobileの買収は、まだ噂レベルの段階だ。しかし、豊富な資金を持つアマゾンがこの動きに出ることは十分可能であり、同社がコンテンツ配信における覇権を確立する上でも自然な流れといえる。

編集=上田裕資

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