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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

左から著者のピーター・ライオン、鈴木修会長、鈴木社長

4月17日、ニューヨークで開催されたワールド・カー・アワード授賞式で、スズキ「ジムニー」がワールド・アーバン・カー賞(小型車賞)を受賞した。それから約一月後、僕は同社の鈴木 修会長と鈴木俊宏社長にトロフィを手渡すために、浜松本社に行ってきた。

実は3年前から、スズキはワールド・カー・アワードで、イグニスとスイフトがトップ3にランクインされているが、2回とも勝利を逃してしまった。今回は3度目の正直となったわけだ。

僕は同組織の会長として、ニューヨークでジムニーの米澤宏之チーフエンジニアにトロフィを渡していたが、今回はスズキ本社で経営トップに贈呈することになった。海外ではかなり好評なジムニーだが、最近、日本ではスズキが生産問題などを抱えているので、受賞という嬉しいニュースが入って来て、会長と社長は微笑みが止まらなかった。


ニューヨーク会場でジムニーの米澤主査にトロフィを渡す

手短にいうと、スズキがブレーキなどの安全性能に関わる検査不正と、無資格の検査員が単独で最終検査をしていた件で、日本ではひんしゅくを買っているかもしれないけど、海外ではそういう問題がそれほど取り上げられていないので、選考委員たちがクルマを素直に評価した。正直なところ、ジムニーがあまりにも売れているので、スズキは今、需要に合わせるために生産能力をなんとか上げようとしているほどだ。

本社の役員室でトロフィを手渡した時に、会長と社長はその重さに驚いた。「うお〜、これはかなり重いですね」と会長がおっしゃるので、「金でできていますから」と、僕はジョークを言ってみた。お二人は笑ってくれたが、その金色はアルミとウッドでできている。

「ジムニーは190か国以上に販売しているとても重要な車種です。名誉ある賞をいただきありがとうございます」と社長が言う。

トロフィを手に持ちながら写真を撮ったあと、会長が珍しく昔話を聞かせてくれた。普段は会長とはなかなかゆっくり話ができないため、貴重な経験だった。

現在89歳の鈴木 修会長は日本の自動車業界のレジェンドだ。1958年にスズキに入社し、5年後の1963年には早くも取締役になっていた。1978年から2000年まで社長を務め、その間、GMと提携し、インドでマルチ・スズキ・インディア社を設立させ、欧州の戦略拠点としてハンガリーで工場を作らせ、多くの成功例をおさめてきた。今スズキは、インド、パキスタン、ハンガリー、ベトナムなどで、1位の市場シェアを保持している。

文=ピーター・ライオン

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