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元新聞記者のダイバーシティ・レポート

宮城のチームと戦い、復興を誓った (c)IWAKI FC.jpg

福島第一原発からおよそ40キロの福島県いわき市に3年ほど前、サッカーチーム「いわきFC」が誕生しました。大倉智さん(49)は東日本大震災後、湘南ベルマーレの社長を辞め、いわきFCを運営する「いわきスポーツクラブ」の社長になりました。大倉さんに、スポーツマーケティングと地域創生について聞きました。

試合という商品をマーケティング

いわきFCのビジョンは「サッカーを通して、社会を豊かにする」、ミッションは「スポーツが持つ経済的な価値を最大限に引き出し、いわきを東北一の都市にする」というものです。

「達成するための姿勢として、グローバルスタンダードと、わくわく感の創出を掲げています。戦略は、

・パーク・スタジアムをどうするかというファシリティ運営
・チームビルディング。熱狂空間を作り出すためどういうサッカーにするか
・日本のフィジカルスタンダードを変える
・人材育成
・地域との一体化

を軸に置いています。ヨーロッパのサッカーは、わくわくする世界観を作っている。勝つよりも、『サッカーの試合』という商品をどうマーケティングしていくか、お客様にどうやって感動を届けるかが大事。そのための一つが、『フィジカルスタンダードを変える』ということです」

「親会社の『ドーム』は、最近では食のスタンダードを考え、睡眠、筋トレなどの研究もして、あらゆる面でグローバルスタンダードを取り入れています。『勝つためのフィジカルスタンダードの取り組み』ではなくて、他のチームと違うことをするマーケティングです。ドームには、テーピング・サプリメントなどのスポーツ商品のほか、リカバリーのコーチもいますし、それらをいわきFCがマーケティングして世に出していく、共感したスポンサーやファンが集まってくるという、ストーリーマーケティングなんです」

現在はスポンサー収入がメインで、地元企業を中心におよそ100社が支援しているそうです。親会社のドームも資金を出します。さらに、選手の働く場があり、経済基盤が持てて、社会とつながれるのもいわきFCの特徴です。

「引退後のセカンドキャリアを考えても、選手は働く意味を知る必要があります。選手は28人で、平均21歳。うち7人はプロ選手です。21人はいわきにあるドーム子会社の社員で、午前中にサッカーをして、午後は隣接する物流倉庫で働きます」

文=なかのかおり

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