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Birdの電動キックボード(Photo by Mario Tama/Getty Images)

米ロサンゼルス本拠の電動キックボード企業「Bird」は、本国と同様のサービスを英国ロンドンで展開しようとしたが、現在はロンドン五輪跡地の公園のみで運営を行っている。

昨年11月に英国に乗り込んだBirdは先日、1分間あたりの利用料金を40ペンス(約56円)に引き上げる実験を行ったが、現在は25ペンスに設定している。Birdの英国及びアイルランド部門を統括するRichard Corbettによると、同社は収益性の改善に向けた試みを実施中という。

電動キックボードの利点は環境に優しく、自動車やバスやタクシーよりも快適に都市を移動できる点だとされている。Birdの企業価値は約20億ドルで、累計で4億1500万ドル(約455億円)の資金を調達した。また、今年1月には、同社がさらに3億ドルの資金調達の準備を進めていると報じられた。

しかし、Birdのビジネスモデルの継続性については懸念が浮上している。電動キックボードの製造元の「セグウェイ-ナインボット」は昨年、英フィナンシャル・タイムズの取材に、「Birdや競合のLimeらの事業は、経済的な持続可能性が低い」と応えていた。

BirdのCorbettは別のインタビューで、「当社が一番重要視しているのは利用者の安全性であり、その次に考えるのが事業の継続性だ」と話していた。

電動キックボードは米国のテック業界関係者だけでなく、世界の様々な都市の住民に利用されているものの、ロンドンでは規制の問題に直面している。英国では1835年に制定された法律によって、公道での電動スクーターの走行は禁止されている。

Birdは法の抜け穴をついて、私有地であるロンドンのオリンピック公園で事業を始動した。利用者が公園から外に出ようとした場合、Birdの車両はけたたましいアラームを鳴らし、最終的には電源がオフになる。

Corbettは英国の法制度について「我々はかなり難しいタスクに直面している」と述べた。

「英国の法律もいつか変わる。私たちはとりあえず旅を開始した。2年先か5年先か、もしかしたら10年かかるかもしれないが、Birdは英国のユーザーに本格的なサービスを提供できるよう、取り組みを行っていく」と彼は話した。

一方で、ドイツ政府は電動スクーターの公道での走行を今年6月にも合法化する予定だ。欧州でこの市場のシェアを獲得しようとしているのは、BirdやLimeだけではない。ドイツのTierやFlash、アムステルダムのDottなどのスタートアップが、この分野に乗り込んでいる。

スウェーデン本拠の電動スクーター企業VOIも先日、今年の夏に数千台の車両を欧州の全土に配置すると宣言した。VOIは既にフランスやスペイン、スウェーデンでサービスを開始している。さらに今夏、ドイツ、ベルギー、ポーランド、イタリアでの開始を予定している。

VOIによると、ドイツは同社にとって最大の市場になる可能性があるという。

編集=上田裕資

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