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地方という余白(ポテンシャル)の多いフィールドで、何か新しいことをしてみたいあなたへ。Forbes JAPANでは、地域や価値観、職種などさまざまなボーダーを越えて活躍する人物を「越境イノベーター」と名付け、目指す人へのヒントを「面白さ」「仕事」「仲間」「拠点」の4カテゴリーに分けて事例を紹介しよう。

初回は、面白法人カヤック代表取締役CEOの柳澤大輔に、「面白さ」のつくり方のこつを聞いた。


「自分事化」がワクワクの原点だ!

地域に「面白さ」を生み出すヒントは、「自分事化」にあると思います。僕たちカヤックでは、「面白法人」を掲げて、どうしたら面白く働けるかをずっと考え、実践してきました。その答えが自分事化です。つまり、強い当事者意識をもち、より良い方向にしようとする姿勢です。

会社設立の前、僕は2年間サラリーマンをしていましたが、その時は働くことが全然楽しいと感じられなかった。でも、自分の会社をつくったら楽しかったんです。これは、自分事化できたかそうでないかの違い。そこで、今度はカヤックに入社した人に、どうしたら自分事化してもらえるかを考えたところ、ブレスト(ブレインストーミング)に行き着きました。

日常的にブレストをして、アイデアを出していくと、自分たちの会社を良くしようという解決志向型の思考になって、会社のことが好きになり、楽しく働けるようになります。地域もこれと一緒で、みんなが「ここは自分のまちだ」と自分事化できれば、どうやってより良くしようか考え、面白いものが生まれやすくなる。「みんなで楽しいことをやろうよ」という活動は長続きしますし、巻き込む人も増やしやすい。僕らが6年前に始めた地域活動「カマコン」は、「まちの社員食堂」などが生まれるきっかけになりました。

ただ、外から来た人がいきなり「この指とまれ」と活動しようとしても、最初から地域の人たちが協力的とは限りません。まずは、地域に根を張って、自分の強みを生かした仕事をして、活動の土壌をつくったり、すでに地域で活動している人を応援する立場で参加したりすると、受け入れてもらいやすいと思います。カマコンも最初はそうやって始めました。

つまり、面白さをつくる近道は、面白い人を応援することなのでしょう。地域には必ず魅力的な人がいて、そこに加わって始めるのが一つの方法だと思います。


柳澤大輔◎面白法人カヤック代表取締役CEO。鎌倉に本社を置き、ゲームアプリやWebサイトなどのコンテンツを発信。サイコロ給はじめユニークな人事制度やワークスタイルでも知られる。著書に『鎌倉資本主義』(プレジデント社)。

「面白さ」をつくる5つの事例

1. 城崎国際アートセンター/兵庫県豊岡市/2014年4月〜



世界中のアーティストが住む温泉街

志賀直哉の『城の崎にて』で知られる兵庫県豊岡市の城崎温泉は、浴衣姿で街を歩ける外湯文化の街として知られる。糸柳の街路樹、石畳に響く下駄の音、風情あふれる温泉地にもう一つ加わった文化が、世界中から集まる舞台芸術などのアーティストだ。

2014年、団体客向けの会議館を「城崎国際アートセンター」として改築。長期滞在が可能な「拠点」とすると、世界のパフォーミングアーツの関係者に口コミで広まった。応募から選ばれたアーティストたちはセンターに宿泊して、作品制作を行う。アーティストは無料で宿泊できる代わりに、地元の小中学校で授業を行ったり、市民とダンスなどのワークショップを開いたり、公演の稽古やリハーサルも公開。地元に「芸術で還元」しているのだ。アートセンターの芸術監督には、演出家の平田オリザが就任。今年9月には市内へ移住する予定。「小さな世界都市」を目標に掲げる。

文=フォーブス ジャパン編集部+三井三奈子

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