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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信


詳しく記すと、大谷復帰までのトラウトは、敬遠を含めた今年の四球は過去最高ペースで、つまりストライクボールを投げてもらう率が32%しかなかった。ところが大谷が打順3番で復帰した後、その前の2番を打つトラウトのそれは、いきなり48%まで増えている。ストライクが多くなれば、トラウトの安打が増えるのは自明のことだ。

また、今季メジャー史上3人目の2000打点を記録したプホルスは、大谷が入団する前年の2017年に636打席バッターボックスに立ったのに対し、大谷が加入した2018年には498打席と出番を減らしたにもかかわらず、ホームランは4本しか減らしていないし、打率も出塁率も長打率もむしろ上げたことから考えれば、39歳の故障を抱えたベテランには、大谷が打線に加わることによって与えられる休養が、ひじょうに大きな効果があったという分析だ。

ESPNのアルデン・ゴンザレス記者は、「だから、半分の大谷でもこれでいいのだ(しばらく二刀流でないという意味)」と断言する。そして、二刀流であろうが、打者専念であろうが、いつでもどこでも使ってくれという大谷の姿勢を、あらためてチームへの多大なる効果として賞賛している。

20日には「おかえりなさい翔平デー」も

最後にとても興味深い記事として、ファンサイトである「ヘイローヘブン」で、大谷の復帰に関して、「こんなことなら、去年、もっと早い段階で手術を受けてもらえばよかった。あなたは思うかどうか」という質問が出されていたので紹介したい。

去年の夏の段階で、打者としての出場をとりやめ、故障したひじの手術を受け、今シーズンの初めから大谷を出場させることで、チームとして今年の優勝を狙うべきではなかったかというアンケートだ。回答は、予想を裏切り、イエスがたったの29%でノーが71%に上った。



つまり、ファンはみな、昨年、ひじの故障が発覚した後も、打者として大谷が出場を続け、アメリカン・リーグの最優秀新人選手賞(新人王)という歴史的な受賞をしたことを喜び、かつ、その賞レースで、ヤンキースの有力候補を降ろしたという爽快感は何ものにも替えがたかったと振り返っている。優勝するだけが野球の楽しみではない。大谷の新人王は、年度が変わったいまもファンに喜びを与えている。これもまた大谷効果だろう。

ちなみに、5月20日のエンゼル・スタジアムでのホームゲームでは、「おかえりなさい翔平デー」と銘打たれており、前売り券購入者には、大谷の写真や絵の入ったブランケットやスエットがついてくるという企画となっている。筆者も仕事がなければ行きたかった!

連載:ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信
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文=長野慶太 写真=Getty Images

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