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お米ライターが探る世界と日本のコメ事情

海外では日本にないオリジナルのSUSHIが増えて来た。それに合わせてシャリも多様化している。

海外に行くと、あちこちで「SUSHI」の文字が目につく。アボカドやマヨネーズを使ったものは、すでに日本の回転寿司でも定番となっているが、鮭の皮や、マヨネーズにタバスコやラー油やチリソースなどの香辛料を混ぜた「スパイシーソース」、緑色のとびっこ、からすみ、キャビアを使ったSUSHIまである。

こうしたSUSHIを邪道と言う人もいるだろう。しかし、それぞれの国で個性豊かに独自の進化を遂げているSUSHIからは、その国の食文化や嗜好などが垣間見えて楽しい。こうしたSUSHIは、ネタや形状に目が行きがちだが、お米ライターとして気になるのはシャリ。「寿司に合うのは日本の米」と決めつけてしまう前に、海外のSUSHIシャリの多様さに注目してみたい。

「おはぎ」のようなトルコのシャリ

トルコのイスタンブールにはいくつかの日本料理店があり、そのほとんどでSUSHIを提供している。

オーナーも料理人も日本人で、現地の日本人にも人気という店で使っているのは、イタリア産の短粒米。見た目は、私たちが日本で食べている米と変わらない。口に入れると米粒がほろりとほどけていく握り方はさすが人気店。しかし、米の舌触りは悪く、少々飲み込みづらかった。


イタリア産米のシャリ

同じ市内にある別の店は、オーナーは日本人で、SUSHIを握っているのは現地の料理人。シャリに使われているトルコ産の米は、短粒米よりも若干長細いように見える。食べてみると、炊き加減が柔らかすぎるうえ、ぎゅっと握られ、まるでおはぎのよう。米肌は荒れ、ツヤもなかった。


トルコ産米。おはぎのようなシャリ

やはり海外では、日本人が日本から仕入れた日本米で握る店でないと、日本人が満足できる寿司には出会えないのだろうか。

トルコのカリフォルニア産「イタニシキ」

同じ市内でトルコの大財閥コチホールディングスが経営する五つ星ホテル「ディワーンホテル」内にある「円味(まろみ)」では、日本の寿司と遜色ないSUSHIに出会えた。

シャリを見ると、米粒が長細い。しかし、ジャスミンライスやバスマティライスのようなひょろりとした長細さではなく、ふっくらと長細い。そして、パサパサではなく、しっとりつややか。口に入れると、舌触りがなめらかで、口の中ではらりとほどける。この米は短粒米なのだろうか、中粒米なのだろうか、はたまた長粒米なのだろうか。


日本の寿司と遜色ないカリフォルニア産「イタニシキ」のSUSHI

店の日本人職人に米について聞いてみた。すると、なんとも複雑な答えが返ってきた。

「新潟県産コシヒカリの種籾を仕入れてカリフォルニアで栽培したコシヒカリを、イタリアで長粒米と交配させて『イタニシキ』という米が生まれ、その後、イタニシキをカリフォルニアで交配させて栽培した中粒米です」


細長い米でもSUSHIになる

イタニシキの「イタ」はイタリアから取ったのだろうが、ササニシキではなくコシヒカリを使っているのに、なぜか「ニシキ」らしい。

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