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中国は現代アートの国際的なハブになり得るか? フォーブスの2019年アジア版「30アンダー30」(芸術・文化部門)の顔ぶれを見る限り、答えはイエスだろう。

ファッションから料理まで幅広いジャンルで活躍するアジア全域の30組のうち、4人が中国の現代アーティストだ。彼らは、ベテランの曾梵志(Zeng Fanzhi)や張曉剛(Zhang Xiaogang)のようなオークションで破格の値段がつくアーティストではないが、新世代ならではのスタイルを持ち、これからの中国美術界を担う存在として国内外で支持されている。

彼らの共通点の一つは、インターネットやテクノロジーからの影響だ。たとえばシカゴ美術館附属大学で学んだ26歳の张子飘(Zhang Zipiao)は、ユーチューブやインスタグラムなどのSNSが人々の美意識に与える影響や、ユーザーが本人の実像とは異なるオンライン人格を作り出す現象を探求し、遊び心あふれる絵として表現する。

张子飘はこれまでに北京で3回、香港で1回の個展を開いており、アジア最大級のアートフェアであるアート・バーゼル香港でも作品が出展された。

北京を拠点とする28歳の高露迪(Gao Ludi)も、SNSにインスパイアされた作品で知られるアーティストだ。大学生の自撮り写真など、自分のSNSフィードに流れてくるランダムな写真をモチーフにして、現代人が情報共有によってプライベートを他者に開示している状況を描き出す。

イエール大学出身の24歳、刘娃(Liu Wa)は、テクノロジーが自己認知にもたらす影響を探求する。「Glimpse: a grain of truth」と題された彼女の最近の作品は、鑑賞者が脳波測定のヘッドセットを装着すると、波形によって照明が変わり、絵の色が違って見えるというインタラクティブアートだ。

「今現在を生きる」という姿勢

今年の「30アンダー30」(芸術・文化部門)の審査員の一人で、北京の美術館「M WOODS」設立者の黄勖夫(Michael Xufu Huang)は、リスト入りした若い現代アーティストたちは「政治や社会に関心があるベテラン世代と比べて、今現在を生きることや、個人の内面を表現している」と言う。

中国が文化大革命や1980年代の改革開放を経て、世界有数の経済大国になった激動の歴史を、20代のアーティストたちは経験していない。それゆえに個人の感情や感覚に関心が向かうのは自然な流れだと黄勖夫は考えている。「若いアーティストの美学が受け入れられる背景には、中国人のライフスタイルの変化がある」

欧米のコレクターは現在も社会的・政治的主張を持つ作品を好む傾向があるが、新世代の表現に対する関心も高まりつつある。

「若手アーティストはキャリアがまだ浅いため、ベテランほどの高値はつかないが、中には価格が急上昇している者もいる」と黄勖夫は話す。「これからの社会、インターネットが私たちの美意識に及ぼす影響はますます大きくなるはずだ」

編集=上田裕資

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