ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座


フラッグシップの商品は、1965年から造られているシャルドネ100%の「ブランドブラン」。辛口でキリッとした口当たりが特徴で、異なる成熟度のブドウをブレンドしているため、レモンや青リンゴ、オレンジの皮、アプリコットや桃といった多様な果実味が感じられる。さらに、澱熟成による、焼いたパンや酵母のニュアンスが加わっている。アペリティフとして活躍するほか、牡蠣や甲殻類、白身魚や鶏肉のグリルとも合う。

他にも、ピノ・ノワールが主体の「ブランドノワール(Blanc de Noirs)」、「ロゼ」、ドサージュ量を少なくした超辛口の「エクストラ・ブリュット(Extra Brut)」、珍しいフローラという交配品種から造る半甘口の「クレマン・ドュミ・セック(Cremant Demi-Sec)」、気軽に楽しめるお手頃価格の「ミラベル(Mirabelle)」、単一畑の限定キュヴェなど、幅広い商品ラインナップで、毎年、約12種類のブレンドを造る。



そのシュラムスバーグのトップ・キュヴェが「ジェイ・シュラム(J Schram)」だ。約300種類ものベースワインの中から秀でたワインを選んでブレンドしたワインで、澱熟成の期間も7年と長い。シャルドネをベースに、15%程度のピノ・ノワールをブレンドする。梨やパイナップルのコンポート、桃のシロップ漬け、カスタード、シナモン、プラリネ、クリームブリュレ、モカといった幅広い味わいが口の中に広がる。

さらに、2001年からは、「J Davies」という別ブランドで、ピノ・ノワールやカベルネ・ソーヴィニョンから赤ワインも造っている。

「Camp Schramsberg」でスパークリング・ワイン造りを学ぶ

シュラムスバーグでは、毎年、春と秋に、2日間の体験型のプログラムを開催している。筆者もこの3月、今年で24年目となる春の回に参加した。



内容は、畑での剪定実習、ベースワインの試飲とブレンド体験、スパークリング・ワインと食事のペアリング講座など、実践的なものばかり。参加者全員が、サブラージュという、サーベル(剣)でボトルの瓶口を切り落とす体験もした。

食事は、三ツ星レストランを擁するナパの高級ホテル「メドウッド(Meadowood)」のシェフによる料理とともに、ワイナリーの地下カーヴで長年熟成されていた古いヴィンテージのワインを含む、様々な種類のスパークリング・ワインが供され、ペアリングを楽しんだ。なかでも、トップ・キュヴェの1996年の「ジェイ・シュラム」と2005年のロゼは、フレッシュさと、熟成による複雑性を兼ね備え、カリフォルニアのスパークリング・ワインの可能性を実感した。


様々なスタイルのスパークリング・ワインと、各種食材、調味料、料理との相性を探る

約35名の参加者は、全米から集まったシュラムスバーグのファンと、同ワインを扱っているソムリエや卸・小売りなどワイン業界で働く人たちだ。朝から晩まで、密度の濃いプログラムが組まれ、アメリカらしい全員参加型でカジュアルで活発な議論をしながら、栽培・醸造チームの指導のもと、スパークリング・ワイン造りの実際を学ぶことができた。

シュラムスバーグのワイナリーは、地下カーヴの見学ツアーや試飲をおこなっていて、一般の訪問客を歓迎している(要予約)。同じ敷地内には、1889年に建てられ、カリフォルニアの歴史的建造物にも指定されたヴィクトリア調の邸宅がある。ビジターセンターのギャラリーには、創業者やディヴィズ一家の軌跡や、歴代大統領の晩餐会のメニューや写真が飾られていて、カリフォルニアワインの歴史を垣間見ることができる。


カーヴでのディナーの様子

島 悠里の「ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座」
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文=島 悠里

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