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──頭ではわかっていても、なかなかその一歩が踏み出せない人もいます。そんな人にはどうやって背中を押しますか?

好きなことは寝ても覚めても、勝手に努力できる。でも、私の空手もそうですが、自分のこれまでの生活にはない新しい世界だったからこそ、想像を超える面白さや刺激がありました。

今は「好きを仕事にすることが素晴らしい」という風潮もありますよね。でも、別に好きじゃなくてもいいんです。全く触れることのなかったからこそ開ける世界もあると私は思っています。

新しいことが怖いと思っている人には、仕事ではなく趣味でもいいから、自分にとって少しハードルが高いと思うことに挑戦してみることをおすすめします。辛い時期を越えて視界が開ける経験ができれば、向いてない、辛いと思うような仕事を担当することになったとしても、必ずその先にあるワクワクにたどり着けると思います。

──秋田さんはどんな状況も楽しんでいらっしゃる印象です。ネガティブになることはないのでしょうか。

ありますよ。でも、「えいっ!」と消しゴムで消すように、リセットできるような何かを持っておけるといいですよね。瞑想でもいいし、誰かと美味しいものを食べることでもいい。

ちなみに私の消しゴムは、空手です。お腹の底から声を出して、体を動かすことで大抵のことはリセットできています。

とは言え30代の頃は「これ以上私に仕事振らないで」とか「もう無理です」といつも思っていて、ポジティブになれないことも多かったような気がします。でも、相手は自分を映す鏡だったりする。自分の表情が曇っていたら相手もそうなってしまうんです。

だから、些細なことですが、できるだけポジティブな言葉を使って、相手の目を見て話します。ポジティブな言葉は、みんなに伝染してポジティブな空気を生みますから。何か助けてもらえば「すみません、ごめんなさい」じゃなくて「本当にありがとうございます」と言う。

言葉の使い方をファインチューンしていくだけで、自分の中でも少しずつポジティブな気持ちに変わっていけます。

私、将来は気持ちのいい表情をしたおばあちゃんになりたいと思ってるんです。

ネガティブなことや意地悪な気持ちを抱えていたら、そんな顔になるし、表情はお化粧じゃ隠せないんですよね。そのためにも、日常生活の中から、自分が気持ちいいと思う人間に自分でなっていくしかない。同じ皺なら、笑い皺がいいですよね(笑)。


秋田夏実◎アドビシズテムズマーケティング本部バイスプレジデント。シティバンク銀行デジタルソリューション部長、マスターカード日本地区副社長などの要職を歴任し、2018年より現職。アドビのクラウドサービスのマーケティング、デマンドジェネレーション、広報・ソーシャルメディア、ブランディングを含むコミュニケーション戦略といった日本でのマーケティング活動のすべてを統括する。

構成=伊勢真穂 イラスト=Luke Waller

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