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アドビシズテムズマーケティング本部バイスプレジデント 秋田夏実

スリムジーンズにレザージャケットを羽織り、明るく大きな笑顔で現れた女性。彼女こそが、アドビのマーケティング本部でバイスプレジデントを務める秋田夏実だ。

アドビといえば、PDFでおなじみの「Acrobat」や、画像編集の「Photoshop」「Illustrator」など、ビジネスマンやクリエイターになくてはならない存在。最近では、デジタルマーケティングの分野にも注力している。

秋田は、アドビでの要職を務めるだけではなく、空手やワインなど多彩な趣味を持つ。さらに3人の子育ても行うというスーパーウーマンに、そのエネルギーの源を聞いた。 

──秋田さんは仕事もプライベートも、欲張りに楽しんでいらっしゃるように見えます。昔から何にでも全力を注ぐことのできる方なのでしょうか。

こんな話から始めるのもなんですが、実は若い頃に体調を崩した経験があるんです。「もう限界かな」と思いながら、周りには気付かれないように仕事を続けていた時期がありました。そうすると、「頑張れるのは今日が最後かもしれない」って思うんですよ。

食事に気をつけて運動もして、健康な生活をするようになって、今はすっかりリカバーできましたが、そんな時期を経ているので、仕事をやっていることも家族を持っていることにも、ただただ感謝の気持ちしかありません。

一瞬一瞬をより大切にするようになって以来、面白いなと思えることに出会ったら、例え経験がなかったとしても「自分のコンフォートゾーンから出てみよう」と積極的に挑戦するようになりましたね。

──コンフォートゾーンから一歩踏み出すことは、ワクワクする人もいれば、踏みとどまってしまう人もいます。秋田さんはどちらのタイプですか?

最初の一歩はやっぱり怖いです。空手を始めた時も、下戸だったのにワインエキスパートの資格を取った時にも、自分で自分に「今で十分手一杯なのに、まだやる?」「私にできるの?」と思っていました(笑)。

ただ、本当にできないのかどうかは、やってみないとわからない。

空手は、息子の心身の鍛錬のために武道がいいだろうと習わせ始めたのですが、初めは「痛いし怖いし、行きたくない」と嫌がっていました。しかし、そこで辞めたら逃げ癖がついてしまうかもしれない。

だからと言って「逃げてはいけない、頑張りなさい」と言っても追い詰めるだけです。だったら「私も一緒にやる!」とスタートして、今年でもう5年になります。今や、ただの習い事ではなく、中学3年生になった息子と私をつなぐ大事なコミュニケーションラインになりました。

真夏の体育館で正拳突き1万回とかやるんです。息子は10代だから治りが早いのですが、私は本当にボロボロになってしまいます。すると、「母さん、年だね〜」なんて言って、肩をマッサージしてくれることもあります(笑)。「一緒に流した汗は裏切らない」という言葉がありますが、息子と私は空手仲間でもあります。

できることが少ない頃は、「何で始めちゃったんだろう」と思ったりもします。でも、練習を重ねて、これまでできなかったことができるようになった瞬間、パッと視界が開ける感覚がある。

先が見えなくて不安だったり気が進まなかったりしても、諦めずに続ければ、その少し先に、一気に違う世界が見えてくる。これはプライベートだけではなく、仕事でも言えることだと思います。

構成=伊勢真穂 イラスト=Luke Waller

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