I write about economic and social trends in China. @johannylander

Photo by Raj K Raj/Hindustan Times via Getty Images

米国は、お金と権力を持つ人を助けるだけになっているパキスタンへの援助をやめるべきだ。

貧困国の援助は、人道的にも地政学的にも、米国にとって大きな意味のあることだ。だが、援助がその国のエリートたちの生活を支えるだけになっている場合がある。その一例が、パキスタンだ。

同国の最大都市カラチを拠点とする政治経済学者で米コロンビア大学の客員研究員でもあるアクバル・ザイディは、「米政府は何十年もの間、パキスタンに対して非常に寛大だった」と語る。米国の援助によって、パキスタンは恒常的な債務危機に対応してくることができたという。

それでもパキスタンが長年にわたり、外国の援助を必要とするほどの債務問題から抜け出せないのはなぜだろうか。ザイディによると、この国のエリート層が適切に税金を納めていないことの影響が大きい。

ザイディは、同国のこの永続的な問題の原因は主に自国のエリート層にあり、そのため「(債務)危機と呼ぶのは正しくない」と指摘。さらに、次のように説明する。

「歴代の政権は…危険を無視してイスラム過激派を利用してきた。そして、地政学的な利益を共有する国や、国際金融機関からの財政援助に頼ってきた」

パキスタンのエリート層 は、「過激派が核保有国を乗っ取るという偽の脅威を作り出して外国に恐怖感を与え、援助を行わせてきた」という。そして、国外からの援助によって、エリート層のぜいたくな生活を可能にしてきた。

「これは、伝統的なモラル・ハザード(倫理の欠如)の問題だ。常に救済されるというぜいたくが、パキスタンのエリートたちに責任を負わずに暮らすことを許してきた…彼らはより公平で公正な、平等な政府や政治につながる経済・体制の構造的改革の必要性をほとんど感じていない」

一方、国連開発計画(UNDP)パキスタン事務所のマルクアンドレ・フランシェ元所長によれば、同国のエリートたちが投資先やパーティーを開く場所として、カラチを選ぶことはない。

フランシェはパキスタンの経済紙ビジネス・リコーダーの取材に対し、次のように述べている。

「お金を儲けようとするときに、非常に安価で教育水準も低い労働力を選ぶという危険を冒すエリートはいない。パーティーを開くならロンドンだろうし、買い物をするならドバイだろう。さらに、不動産を購入するならドバイや欧州、あるいはニューヨークでお金を使う」

お金と権力を持つ人たちの生活を支えるためなら、パキスタンへの援助は同国の新しい同盟国、中国やサウジアラビアに任せればいい。

編集=木内涼子

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