I cover Google parent company Alphabet and artificial intelligence.

アルファベットCEO、ラリー・ペイジ(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

ウーバーのIPOは、グーグルの親会社であるアルファベットに巨大な利益をもたらすことになる。アルファベットはウーバーの筆頭株主の1社で、同社の持ち分は5.2%だ。

上場後のウーバーの価値が、想定通りの1000億ドル(約11.2兆円)になれば、アルファベットの持ち株は50億ドル(約5600億円)の価値を持つことになる。

さらに、ウーバーが米証券取引委員会(SEC)に提出したS-1書類には、同社が過去数年に渡り、数億ドルもの広告費や地図サービスの利用料をアルファベットに支払ったことも記載されている。ウーバーは独自の地図プロジェクトも進めているが、グーグルマップへの依存度は今も高い。

ウーバーは2016年から2018年に、約5800万ドルをグーグルマップの利用料として支払っている。さらに、ウーバーは過去2年で6億3100万ドルの広告費用と、7000万ドルのインフラ利用料、さらに100万ドルの「その他のサービス料」をアルファベットに対して支払った。

また、ウーバーとアルファベットの2社は複雑な背景を抱えている。アルファベットの投資部門GV(旧グーグルベンチャーズ)は2013年に、2億5000万ドルをウーバーに出資し、一時はグーグル取締役のDavid Drummondをウーバーの役員会に送り込んでいた。

しかし、自動運転領域で2社間の競争が高まる中で、Drummondは2016年にウーバーの役員会を離脱した。その翌年、アルファベットの自動運転部門の「ウェイモ」は、元ウーバーのエンジニアのアンソニー・レバンドウスキーが同社の機密を盗み出したとして、ウーバーを告訴した。

この訴訟は激しいバトルを繰り広げた後、2018年2月に一応は決着した。ウーバーはウェイモに自社株の0.34パーセントを譲渡することで、和解していた。

自動運転技術に潜む「リスク要因」

しかし、ウーバーのS-1書類にはこの訴訟に関連して、同社がウェイモに対し追加で1億2800万ドルの裁定金を支払う可能性が記載されている。ウーバーはレバンドウスキーが設立した自動運転企業を買収しており、今後の調査の進展次第では裁定金の一部、もしくは全額を支払う必要がある。

これに加え、ウーバーが自動運転に使用中のソフトウェアが、ウェイモが発案したものではないかとの疑いがあると、ウーバーは述べている。S-1書類には次のような記載がある。

「これらの調査中の事案が、追加のライセンス費用の支払いや設計の変更につながる可能性がある。当社の自動運転テクノロジーの実現に制限がかかる、もしくは遅延が生じる可能性がある」

調査は現在も進行中で、ウェイモはEメールの声明で次のように述べた。「当社としては、我々の機密情報がウーバーに利用されていないかを確認するための、手続きを進めていく」

ウーバーのS-1書類のリスク要因の欄には、アルファベットの名前が度々登場している。同社はアプリの配信にあたり、グーグルのGoogle Playやアップルのアップストアに依存していることも、リスク要因にあげている。グーグルやアップルが将来的に、アプリの配信に関し、対価を求める可能性もあるとウーバーは述べている。

自動運転領域でウーバーは、ウェイモ以外の複数の競合との争いに直面することになる。一方でアルファベットは、ウーバーの最大の競合であるリフトの株式も大量に保有している。

編集=上田裕資

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