アドテク、企業、ベンチャーキャピタルやニューヨークのベンチャー企業について執筆するスタッフライター

Photo by Kena Betancur/Getty Images

企業向けビデオ会議サービスを手がける「Zoom」が4月18日、米ナスダック市場に上場した。株価は上昇し、創業者のEric Yuanはクラウドコンピューティング分野の新たなビリオネアになった。

Zoomは4月17日に公開価格を36ドルにするとアナウンスしたが、18日の市場ではそれを大幅に上回る65ドルの初値をつけた。当日の終値は62ドルで、現在のZoomの時価総額は159億ドルに達している。Yuanは同社株の22%を占める、5300万株を保有しており、推定資産額は33億ドル(約3700億円)とされる。

「上場企業になるという夢がかなった。全ての従業員のハードワークに感謝する。彼らのことを心から誇らしく思う。本当に嬉しい」とYuanは述べた。

カリフォルニア州サンノゼ本拠のZoomは、WebExのエンジニアだったEric Yuanが2011年に設立した。同社の2019年1月末締めの年間売上高は、前年度比118%増の3億3050万ドルで、純利益は758万ドルだった。

Zoomは高い売上成長率と利益率で、2019年にIPOを実施した他のスタートアップらと一線を画している。3月に上場した配車サービスのリフトは2018年に10億ドル近い損失を計上していた。

YuanによるとZoomは今後の数カ月で、より大規模な企業顧客を開拓していくという。大企業は提携先の企業に、詳細な財務情報の開示を求めるケースが多く、上場によって会社の信頼性を高められたとYuanは話した。

このIPOは出資元のベンチャーキャピタルにも、大きなリターンをもたらした。EmergenceはZoomの株式の12.5%を保有している。また、Zoomが評価額10億ドルで実施した前回の資金調達を主導した、セコイア・キャピタルは11.4%を保有している。

Zoomを上場させた今、Yuanは以前よりも大きな責任を感じているが、彼らが目指す「偉大な企業」になるために、その重責を喜んで担うつもりだという。

上場のタイミングが他の著名なスタートアップと同時期になったのは、偶然だったとYuanは話した。「有名な企業が相次いで上場している様子を見て、自分たちにとっても今は良い時期だと思った」と彼は話した。

編集=上田裕資

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